March 19, 2014 / 8:28 PM / 4 years ago

米FRB議長、来春利上げ開始の可能性示唆:識者はこうみる

[ワシントン 19日 ロイター] -イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は19日、就任後初めて臨んだ連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、FRBは今秋に資産買い入れプログラムを終了させるとの予想を示し、その6カ月後に金利の引き上げを開始する可能性があると述べた。

FRBはこの日まで開催したFOMCで緩和縮小の継続を決定。だが、金融危機の影響が長引いているとして、経済が健全な状態に戻った後も低金利を維持する必要がある公算が大きいとの認識を示した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●イエレン体制、意思疎通が第3の手段に

<ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のチーフ投資ストラテジスト、スコット・クレモンズ氏>

個人的には非常にハト派的だと受け取った。だが驚いたのは文言の選択だ。現時点で失業率は高止まりしているとしている。FRBはもう1つの目標であるインフレよりも、雇用にはるかに注力しているようだ。

より大局的な見地からは、イエレン体制下のFRBはバーナンキ前議長時代からコミュニケーションという重要な政策を継承しているという強いシグナルが今回発せられたと言える。

FRBは通常、バランスシートと金利という2つの手段による金融政策運営という印象が強いが、イエレン、バーナンキ体制下でのFRBは、これにさらにコミュニケーションという強力な第3の手段が加わった。

FRBは今後、市場と意志疎通を重ね、いよいよ利上げに踏み切る時期になった時に、予測可能な環境になっていることを望んでいるのだろう。

●FOMC声明、これ以上ないほどタカ派的

<ED&Fマン・キャピタル(ニューヨーク)の債券部門共同責任者、トーマス・ディ・ガロマ氏>

FRBが発表した今回の声明は、これ以上タカ派的になれないほどタカ派的だ。実施しなかったのは利上げだけだ。FRBは現在は中立的だが、2015年初めには利上げが開始されると予想している。

●インフレ期待の抑制が狙い

<ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ・ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブセン氏>

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は、もうハト派ではない。現実主義者だ。フォワードガイダンスの修正では、失業率6.5%という基準を撤廃し、インフレ予想を前面に出した。インフレが目標の2%を下回ると予想できる限り、ゼロ金利を継続できる。

また、FRBのインフレ予想だけではなく、一般の人々のインフレ予想も判断材料となっている。インフレ期待は変わりやすく、FRBはインフレ期待を抑制したいのだろう。

●利上げ時期前倒しは予想外、数値基準撤廃で不透明感

<クリアプール・グループ、ピーター・ケニー氏>

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が(利上げの予定時期を)若干前倒ししたのは明らかだ。イエレン氏はタカ派ではなくハト派とみられていたため、この点は全く予想外だったのではないか。特にタカ派的なコメントは出なかったが、予想外だったという点が大きい。

失業率の数値基準が撤廃され、明確な政策指針が減ったことも、材料視された。

昨年12月以降、マクロ経済指標に大きな変化がみられないことも、若干失望を誘う要因になっている。

●FRB議長発言は極めてハト派的、非常に低い金利継続は困難

<BMOキャピタル・マーケッツ(シカゴ)の債券戦略部長、マーガレット・ケリンズ氏>

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の発言は極めてハト派的だったが、市場はこれまでにそうしたハト派内容は織り込み済みだった。経済見通しに関して多少変更され、雇用についてはわずかながら一段とタカ派となった。労働市場の急速な改善はFRBの経済見通しにも反映されている。

FRBは今後、成長の可能性に関して注目せざるを得ないだろうが、市場はこの点で明らかにタカ派的にとらえている。景気循環における足元の状況や回復の度合いに加え、経済は一定の天候要因による落ち込みから持ち直すとの見通しを踏まえ、非常に低い金利が継続していくとは考えにくい。

●質的アプローチへの変更、大きな政策転換

<ハイタワーのパートナー兼マネジング・ディレクター、デビッド・モラー氏>

FRBはまたガイダンスを変更した。失業率6.5%としていた数値基準から、市場にとり漠然としている質的なアプローチに移行した。

FRBが何をきっかけに緩和縮小を一段と進めるのか、縮小を停止するのか、反対に買い入れを拡大させるのか、誰にも予想がつかなくなった。これは政策の大きな転換だ。

FRBは状況に合わせて対応しているように見える。

●予想よりタカ派的、早期利上げ見込んでいるもよう

<TD証券の為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏>

予想よりややタカ派的だった。FRB当局者はそう遠くない時期に利上げがやってくると見込んでいるようだ。

市場は、異例の寒波による経済活動への影響を踏まえ、ややハト派的なトーンを予想していた。

ドルにとっては追い風だ。

●大半が利上げ見込む、基準値撤廃で不透明感増大も

<キー・プライベート・バンクのチーフ投資ストラテジスト、ブルース・マケイン氏>

現時点でサプライズは比較的少ない。米連邦準備理事会(FRB)が資産買い入れ規模の縮小を継続する中で、市場にとり緩和縮小の重要性は薄れている。今後は、天候要因がなくなった後に、景気が回復の勢いを取り戻せるかどうかがより重要になる。

注目すべきことの1つは、大半のFRB当局者が利上げを見込んでいる点で、これは投資家にとってはやや残念だ。

失業率6.5%の数値基準を他のさまざまな指標に置き換えれば、FRBの方針がより見通しづらくなり、市場の不透明感が高まるだろう。

*情報を追加しました。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below