October 22, 2012 / 2:32 AM / 7 years ago

アングル:「モバイル革命」で明暗、米IT企業の勝ち組と負け組

[サンフランシスコ 18日 ロイター] 米テクノロジー企業が決算発表シーズンを迎えているが、「モバイル革命」や景気低迷が影響し、各社の業績は明暗が分かれている。

10月18日、米テクノロジー企業が決算発表シーズンを迎えているが、「モバイル革命」や景気低迷が影響し、各社の業績は明暗が分かれている。写真は9月にブリュッセルで撮影(2012年 ロイター/Yves Herman)

IT業界は今、パソコン(PC)から携帯端末への移行というインターネット登場以来の過渡期を迎えている。すでに発表されたインテル(INTC.O)、マイクロソフト(MSFT.O)、グーグル(GOOG.O)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)AMD.Nの四半期決算は、PCからモバイルへと消費者の関心が移る中、旧来ビジネスモデルから利益を上げ続けることの難しさを物語っている。

このことは、モバイルでの広告・サービス事業にてこ入れするフェイスブック(FB.O)のような企業にとって、良からぬ前兆ともなり得る。

一方、アマゾン(AMZN.O)とアップル(AAPL.O)は比較的好調な数字になるとアナリストは予想している。25日に第4・四半期決算を発表するアップルは、供給面などで問題を抱えているが、これは同社の携帯端末への需要急増の結果だとして「良い問題」とみられている。

また、アマゾンとオンライン販売のイーベイ(EBAY.O)は携帯端末を通して顧客を獲得することに成功。特にアマゾンは自社の低価格タブレット端末「キンドル・ファイア」から顧客を獲得しているほか、イーベイも携帯端末から約80万人の新規顧客を獲得した。

しかし、その他の大半の企業は「モバイル革命」に悪戦苦闘している。

調査会社ガートナーのアナリスト、キャロライナ・ミラネシ氏は「モバイル戦略の『方程式』を見つけるのは容易ではないことを企業は認識しつつある」と指摘。「モバイル戦略は思われているほど単純ではない」と語る。

最も革新的だったはずのシリコンバレーの一部大手企業がモバイル分野で苦戦しているのは、マクロ経済環境の悪化も影響している。

その影響が最も顕著なのは恐らくグーグルだろう。中核事業である広告部門の成長減速が明らかになると、同社の株式時価総額は200億ドル(約1兆5800億円)以上も減少した。しかし、ネット広告事業の苦戦は、グーグルに限ったことではない。

BGCのアナリスト、コリン・ギリス氏は「1クリック当たりの広告料は8四半期連続で増加した後、4四半期連続で減少した。これがモバイル問題だ」と指摘する。

昨年、ユーザーの支持を受けて一躍インターネットの寵児となったソーシャルゲーム大手のジンガは、今年に入り業績予想を2回も下方修正した。ヒット商品に欠ける中、株式時価総額は4分の1にまで減少しており、一部アナリストは大規模な人員削減に踏み切るのではないかと警戒している。

しかし、グーグルのラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)は、モバイルへの移行は長期的にはチャンスだと強調。アナリストとの電話会議で「われわれは新たな現実を生き始めている」とし、「広告主にとって、新たなビジネスチャンスが大量に生まれることになる」と話した。

<悪化の一途をたどるPC業界>

「モバイル革命」によって最も打撃を受けているのは、インテルやその他のPC関連企業だろう。インテルが第4・四半期業績に弱気な見通しを示したことで、年末にPC市場が回復するだろうとの希望は打ち砕かれた。PC市場では依然として圧倒的優位に立つインテルだが、スマートフォン(多機能携帯電話)市場でのシェアは1%に満たない。

インテルのかつてのライバルAMDはさらに状況が悪い。コスト削減のためのリストラ計画の一環として、全従業員の15%に当たる1600人以上の人員削減を発表した。

マイクロソフトが18日発表した第1・四半期(7―9月)決算は、同社の基本ソフト(OS)を搭載したPCの販売減の影響をもろに受け、22%の減益となった。

<勝ち続ける「勝ち組」>

一方、すでにモバイル市場で足場を固めている企業の決算は上々だ。通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ.N)は、アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」新モデル発売が寄与し、ワイヤレス事業の売上高が拡大。第3・四半期は四半期ベースで最高益を計上した。

iPhoneは、ソフトバンク(9984.T)による米通信大手スプリント・ネクステル(S.N)買収でも存在感を示している。日本でiPhoneを初めて発売したソフトバンクは、スプリントのiPhone取扱いに向けた努力を評価したともいわれている。

半導体メーカー、サンディスクSNDK.Oの第3・四半期決算も、スマホやタブレット端末に使用されるメモリー価格の上昇が寄与し、売上高が予想を上回った。RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ダグ・フリードマン氏は、同社のモバイル向けNAND型フラッシュメモリーについて、半導体市場に残された強みを発揮できる分野の1つだと指摘する。

テクノロジー企業はモバイルへの移行に対応するだけなら、まだ良かったのかもしれない。問題は、景気低迷下では、企業が真っ先に削るのはIT関連予算であることが多く、消費者の支出も抑えられることだ。

グローバル・エクイティーズ・リサーチのアナリスト、トリップ・チョードリー氏は「四半期の最初の2カ月は非常に好調だったが、最後の1カ月はマクロ経済の一部悪化がうかがえた。テクノロジー企業もその影響は避けられない」と指摘している。

(Poornima Gupta記者;翻訳 伊藤典子 編集 宮井伸明)

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