[ラクイラ(イタリア) 22日 ロイター] イタリアの裁判所は22日、2009年4月にイタリア中部ラクイラで300人以上が死亡した地震を適切に予測できなかったとして、科学者ら7人に求刑を上回る禁錮6年の判決を言い渡した。
裁判で検察側は、大地震発生前に小さな揺れが続いていたことは典型的な地震活動の兆候だったと指摘。7人が所属する委員会が、地震発生の6日前に開いた会合では適切な予測ができず、「不完全で、不正確で、事実と反する」情報を提供したとして、禁錮4年を求刑していた。
一方、弁護側は判決を受けて、地震は予測できるものではなく、仮にできたとしても食い止めることはできなかったと主張した。
今回の判決について、海外の学術団体などからは「科学者が政府に進言しにくくなる」「地震学に携わる人材が少なくなる」といった批判も上がっている。
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