October 30, 2012 / 2:23 PM / 6 years ago

アングル:企業業績の下方修正相次ぐ、中国の影響くっきり

[東京 30日 ロイター] 中国の景気減速や日本製品の不買運動の影響で、国内企業は軒並み今期業績予想の下方修正を迫られた。ホンダ(7267.T)が中国の販売急減で13年3月期当期利益予想を2割減額し、日立建機(6305.T)は中国建機の需要回復の遅れで今期2回目の下方修正に踏み切った。

10月30日、中国の景気減速や日本製品の不買運動の影響で、国内企業は軒並み今期業績予想の下方修正を迫られた。写真はコンテナ船を見つめる男性。都内で22日撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)

12月期決算のキヤノン(7751.T)も日本製デジタルカメラの不買運動の影響を織り込み、予想を引き下げた。日本の自動車メーカーは中国で減産を続けており、部品や素材メーカーにとっては「下期以降のリスク要因」と捉えられている。中国の状況次第では、来期業績の足かせになる可能性もある。

<想定以上の景気減速と不買運動>

ホンダは29日、通期の当期利益予想を950億円引き下げたが、そのうち4割が中国事業の変調によるものだ。中国では国慶節の大型連休明けから販売店への客足は戻り始めたものの、岩村哲夫副社長は「来年2月の春節までは何らかの影響がある」と慎重な見方を示した。きょう決算発表した三菱自動車工業(7211.T)も今期の中国販売計画を従来の7万3000台から4万2000台に引き下げた。特に下期の下方修正幅が大きく、益子修社長は「(中国販売は)来年3月まで楽観できない」と警戒感を隠さなかった。

日本ブランドとしての認知度が高いデジカメで不買運動の影響が出たのはキヤノン。今期のデジタルカメラの販売計画と連結営業利益の予想をそれぞれ1割程度引き下げた。田中稔三副社長は25日の会見で「中国で影響が大きいのは販売面。日本製品を買うと白い目で見られる傾向がある」と話し、今の状況が年末まで続くという「ワーストシナリオ」を織り込んだと説明した。同社で影響が大きいのはカメラを中心とする消費者向け製品だが、一部事務機の官公庁入札で日本企業が締め出されていると指摘し、法人向け製品の動向への懸念も示した。

みずほ証券リサーチ&コンサルティングのクオンツアナリスト、米澤忍氏は「自動車は中国の落ち込みによる影響が大きいが、米国など販売が好調な市場で中国のマイナス分を一部相殺できるケースもある。家電など電機の場合は、構造的に利益を上げにくくなっている問題もあり、他の市場でカバーするのは難しいのではないか」と分析する。

<建機回復は来年後半に>

中国の景気減速で建機市場の需要も一段と冷え込んでいる。その影響を受けた日立建機は25日、業績予想の減額修正に踏み切った。徳重博史執行役専務は、中国の油圧ショベル需要の回復時期が想定より遅れ「来年後半くらいになるのではないか」と述べ、来期も厳しい環境が続くとの見通しを示した。一方、コマツ(6301.T)の藤塚主夫CFOもきょうの決算会見で、中国の建設・鉱山機械需要は「第3・四半期は40%程度のマイナス、第4・四半期は良ければ前年並み、悪ければ20%マイナス」と述べた。

建機の冷え込みによる下方修正は神戸製鋼所(5406.T)や川崎重工業(7012.T)も同じ。神戸鋼は9月末に「中国経済減速の長期化で油圧ショベルの販売台数が想定を下回る」として今期経常赤字予想を従来の100億円から250億円に修正。川重も今月23日、中国の建設機械向け油圧機器などの販売不振を理由に上期営業利益予想を従来のほぼ半分に当たる103億円に下方修正した。

きょう決算発表した神戸鋼の藤原寛明副社長は、中国の建機需要の回復は「来年後半になりそう」と述べ、中国の景気拡大鈍化で主力の鉄鋼事業も厳しい環境が続くとの見方を示した。日立製作所(6501.T)もきょう、中国の減速で建設機械部門の今期の収益見通しを減額。中村豊明副社長は、中国減速の影響は「建設機械を中心に下期や来年にかけても出てくる」と話した。建機の不振が来期も収益圧迫要因になるとの懸念が広がりつつある。

<自動車減産の余波>

部品や素材メーカーは、日本メーカーによる中国の自動車減産の影響に神経を尖らせる。24日に今期経常利益予想を5割引き下げたJFEホールディングス(5411.T)の岡田伸一副社長は、「自動車の減産が長期化しないか、自動車以外の分野にも波及しないか懸念している。楽観的にはみていない」と不安を隠さなかった。

ルネサスエレクトロニクス(6723.T)の佐川雅彦執行役員も29日の決算会見で、自動車各社が生産計画を引き下げた影響が「我々のところに注文として出てくるのはこれから」と述べ、下期のリスク要因になるとの見方を示した。

「しばらくは辛抱。待つしかない」と語ったのは24日に今期の営業利益予想を下方修正した日本電産6594.OSの永守重信社長。反日デモを機に中国での自動車や電機メーカー向けモーターの販売に陰りが出ており「影響はかなり深刻」という。今回は「少し長引くとの前提のもとに下方修正した。楽観的な見方はしていない」と説明した。各社とも当面は中国リスクに対し「厳戒態勢」が続きそうだ。

(ロイターニュース 大林優香 杉山健太郎 村井令二 長田善行 白木真紀:編集 橋本浩)

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