November 1, 2012 / 10:07 AM / 7 years ago

アングル:政府・日銀共同文書に円安効果、海外勢が追加緩和期待

11月1日、政府・日銀がデフレ脱却に向けた共同文書を公表したことが為替市場で円安要因として注目されている。2010年9月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 1日 ロイター] 政府・日銀がデフレ脱却に向けた共同文書を公表したことが為替市場で円安要因として注目されている。日銀の独立性を高めた1998年の新日銀法施行後、初めての文書で海外勢を中心に追加緩和期待が広がっているもようだ。

円相場は10月30日の追加緩和発表直後はいったん79.20円台まで円高・ドル安に振れたものの、30日の海外時間からじりじりと円安方向に戻し、1日は4営業日ぶりに80.10円台を付けた。

このため政府・日銀関係者からは、共同文書の効果が海外勢を中心にじわりと出てきたとの声も聞かれ始めた。市場関係者の間でも「日本人は金融緩和の為替への影響は限定的と達観しているが、外国人は初めての共同文書に驚いて円安要因になっている」(みずほコーポレート銀行国際為替部の唐鎌大輔マーケットエコノミスト)との見方が出ている。

日銀が30日の追加緩和で11兆円の基金増額と同時に打ち出した共同文書は、デフレ脱却を目指して政府と日銀の政策協定(アコード)を主張してきた前原誠司経済財政相などが火付け役となって作成に至ったもの。表面上は「日銀が物価上昇率1%を目指し強力な金融緩和を推進する」など政府・日銀が従来の姿勢を繰り返したように見える。しかし、「デフレから早期に脱却」するのが重要と明記、「経済状況及び経済運営について定期的に点検を行う」としており、一部では、デフレ脱却で政府と日銀が連帯責任を負うものではないかとの解説もある。

野田佳彦首相は1日の衆議院本会議でこの共同文書について「政府・日銀が一体となってそれぞれの役割を果たすべく最大限の努力を傾注する決意を示すとともに、両者の政策の整合性を高め、政策運営の効果を高めることを目指した」と説明している。

経済状況の把握・分析で政府・日銀の擦りあわせが今よりも密になるならば、結果的に政府の経済対策と平仄(ひょうそく)を合わせた形で追加緩和の頻度が高まるとの思惑を呼ぶ余地もある。

ただ共同文書の今後の効力については不透明だ。1日の円安・ドル高についてもHSBCによる中国製造業購買担当者指数(PMI)の改善など複数の要因が材料視されている。

「日米ともにゼロ金利で日銀の国債買い入れがもはや円安をもたらすと思えない。共同文書による追加緩和期待が円安要因の一つとなっている可能性はあるが、投機的なものだ」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融・債券為替調査部長)との冷めた見方もある。

(ロイターニュース 竹本能文;編集 石田仁志)

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