November 14, 2012 / 1:31 PM / 6 years ago

インタビュー:今期の人員削減は1万人規模へ= パナソニックCFO

[門真 14日 ロイター] パナソニック(6752.T)の河井英明常務(経理・財務担当=CFO)は14日、ロイターのインタビューで、2013年3月期の人員削減は1万人規模に達するとの見通しを示した。下期に8000人を削減する計画だが、構造改革費用にすでに織り込んでいるため、追加費用は発生しないという。

11月14日、パナソニックの河井英明常務(経理・財務担当=CFO)は、ロイターのインタビューで、2013年3月期の人員削減は1万人規模に達するとの見通しを示した。門真の本社で同日撮影(2012年 ロイター/Reiji Murai)

また、13年4月から始まる3カ年の中期経営計画に向けて、事業部門ごとに収益を管理する仕組みを導入したことから、来年度以降に事業売却が出る可能性も示した。

<追加減損は来期まで出てこない>

同社が2期連続で巨額赤字を計上する見通しになったのは、構造改革費用を4400億円に積み増すため。期初計画の410億円から増額するのは、携帯電話、太陽電池、民生用リチウムイオン電池の3事業の関連資産の減損処理費用が中心。追加の減損処理について懸念が高まっているが、河井CFOは「リスク資産は徹底的に評価をやり直した。今期と来期については、状況が極端に変わらない限り追加費用が発生することはない」との認識を示した。

また、構造改革費用の4400億円の計画には、人員削減や拠点再編にかかる費用の800億円を含む。年間の人員削減1万人についても「費用は織り込んでいる」として、800億円より増額になる可能性も否定した。一方で、来期の固定費削減効果は250億円(今期は1300億円の計画)だが、構造改革費用の増額を見込んでいないため「もうこれ以上は大きくならない」とも述べた。

河井CFOは来期の連結営業利益は最低でも2000億円を達成することを目指す考えを示した。今期の計画は1400億円。増益になる根拠として、傘下の88の事業部門の大半で利益が出ていることを指摘。その上で「これを足していくと相当な営業利益の額になる」と述べたほか、来期に向けて赤字の事業部門を見直していくことで、2000億円レベルの利益額は確保できると強調した。一方で、来期は利益を重視する方針を徹底するため、売上高を減らす事業部門も出てくることから「大幅な増収は見込めない」との見方も示した。

<来期に事業売却も>

津賀一宏社長は薄型テレビや半導体、携帯電話など不採算事業を見直して成長領域を強化するため、傘下に88ある事業部門を再編・統合して56の単位に再編する方針を示している。各事業部門には2015年度に5%の営業利益率を確保を求め、来年3月に中期経営計画(2013―2015年)を策定するまでに1つ1つの事業構造を見直していく。

河井CFOによると、来年4月から発足する56事業部門については 「経営責任が果たせる最小の事業単位で、開発・製造・販売に責任が持てる単位」と説明。すでにくくり直しの作業は終えたという。現在は88の事業部門のうち、赤字事業が20%程度を占める一方、営業利益率が5%を超える事業も半分弱くらいに達しているという。

不採算の事業部門の撤退や売却は「今の段階では出てこない」として、今期中に事業売却をする予定はないとの考えを示す一方、来期以降については「あり得る」と指摘。その上で「何を売るとは言えないが、3年後にはどの事業でも5%の営業利益を確保するという社長の指示が出ている。これがどうしても出せないなら撤退や売却など別の方法を考えなければならない」と述べた。

半導体のシステムLSI事業については、富士通(6702.T)、ルネサスエレクトロニクス(6723.T)との統合を検討しているが、「これも1つの課題事業で、どうしていくかは解を見つけていきたい」と述べた。

<キャッシュにこだわる>

河井CFOは、来期以降に導入する事業部門単位の収益管理について「経営の最小単位の事業部門ごとに投下資本収益性が出ているか、将来も含めたキャッシュフローが確保できるかをしっかりみていく」と説明した。

今期は業績悪化でキャッシュフローが当初の想定より減少するため、下期に1100億円の資産売却を計画。河井CFOによると、このうち4分の1程度が株式で、半分近くが土地や建物だという。 中期計画が始まる来期からの3年間も、毎年2000億円のフリーキャッシュフローを確保する方針。河井CFOは「事業でキャッシュを生み出すのが基本だが、資産売却も余地がある」と述べ、確実に達成していく考えを示した。「足元では財務体質が相当に毀損して、格付けも下がって借入金も増えている。株主だけでなく債券投資家もしている。財務の立て直しのためにも資金を生み出すのは大事で、キャッシュにこだわる経営を徹底する」と述べた。

手元資金から有利子負債を差し引いた「ネット資金」は9月末で1兆0800億円に達した。来年3月末には7700億円に圧縮する計画。河井CFOは「毎年2000億円ずつ減らしていくので、3年間で6000億円。戦略投資を増やす場面もあるのでここでゼロにするとは言えないが、圧倒的に減らしていきたい」と述べ、次期中期計画が始まる来年から3カ年は、ネット資金の改善を重要課題にする方針を示した。

(ロイターニュース 村井令二 ティム・ケリー 編集:久保信博)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below