November 20, 2012 / 11:37 AM / 7 years ago

日銀が金融政策を維持、総裁は安倍発言に慎重な見解

11月20日、日銀は金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決める一方、景気の当面の判断を「弱めに推移する」に下方修正した。都内の日銀本店で撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 20日 ロイター] 日銀は20日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決める一方、景気の当面の判断を「弱めに推移する」に下方修正した。会合後に会見した白川方明総裁は、景気の下振れリスクに引き続き警戒感を示すとともに、自民党の安倍晋三総裁が主張する国債引き受けなどの緩和手法に対して慎重な見解を表明した。

日銀が追加緩和を見送ったのは、9、10月と異例の2カ月連続で実施した追加金融緩和の効果を見極めるため。ただ、海外経済の減速長期化や日中関係の悪化による輸出や生産の減少、それに伴う内需への悪影響を背景に、先行きの景気は「当面弱めに推移する」とし、10月末公表の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で示した「当面横ばい圏内の動きにとどまる」から下方修正した。

白川総裁はその後の会見で景気判断について「展望リポートのシナリオを変えたわけではない」としたが、海外経済の減速長期化によって内需への悪影響が一段と強まらないか丹念な点検が必要などと述べ、景気の下振れリスクに警戒感を示した。

<国債の直接引き受けは副作用>

12月16日投開票の衆院選に向けて景気対策が争点化する中、総裁会見では大胆な金融政策を求める自民党の安倍総裁の発言について見解を求める質問が相次いだ。安倍総裁は物価上昇率3%など明確なインフレターゲットの導入を含めた日銀法改正や、建設国債の直接引き受けに言及しているが、白川総裁は一般論と前置きした上で、長期金利上昇で財政再建や実体経済に悪影響があるなどと副作用を指摘した。その上で、中央銀行の独立性は「内外の長い金融・経済の歴史の中で得られた教訓」によって国際的に確立されたものとし、「日本の経済・金融の基本法」である日銀法改正を議論する場合は「十分に時間をかけて慎重に検討することが必要」と語った。

これまでも白川総裁は同様の見解を繰り返し説明してきたが、市場では、政治圧力の高まりなどを背景に日銀が12月19、20日の会合で追加緩和を決めるとの見方が増えている。次回会合は衆院選直後となるが、会合前の12月11、12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、年末のオペレーション・ツイストの終了に伴って追加緩和策が打ち出されるとの見方が支配的。野田政権が11月末にも2012年度補正予算を視野に入れた本格的な景気対策を決める見通しであることなども、日銀の12月緩和観測を強めやすい要因になっている。

衆院選は民主、自民の2大政党に日本維新の会など「第三極」が絡み、今後の政権の枠組みにも不透明感が強い。しかし、多くの政党が早期のデフレ脱却の重要性を訴え、2014年4月からの消費税率引き上げを控える中、強力な金融緩和を求める政治圧力が一段と強まることは避けられない情勢だ。20日の会合に出席した前原誠司経済財政担当相は、安倍総裁の発言について「建設国債の直接の引き受けや、日銀法改正で政治が直接介入することには、われわれは否定的」としながらも、政府の姿勢として「日銀が2月に表明した物価目標が達成できていないわけだから、達成のためにしっかりと強力な、結果を出すための金融緩和を引き続き行っていただきたい」と、あらためて強力な金融緩和を求めた。

(ロイターニュース 伊藤純夫、竹本能文;編集 久保信博)

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