November 20, 2012 / 11:32 AM / 7 years ago

焦点:緩和見送った日銀、年末に動けば後追いの印象も

11月20日、日銀は金融政策決定会合で追加緩和を見送った。市場は12月会合での緩和を予想しているが、直前にFRBが追加緩和に踏み切る公算が大きく、「後追い」とみられる可能性も。都内の日銀本店で5月撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 20日 ロイター] 日銀は20日の金融政策決定会合で追加緩和を見送った。9、10月と立て続けに緩和に踏み切った効果を見極めるためとしているが、一方で景気の見通しは下方修正しており、論理的には3カ月連続で緩和に動く余地があった。

市場は12月会合での緩和を予想しているが、直前に米連邦準備理事会(FRB)が追加緩和に踏み切る公算が大きく、「後追い」とみられる可能性がある。12月には来春の総裁任期を控え新政権による日銀への圧力が極限まで高まる中、デフレ脱却に向けた日銀の積極的な姿勢を主張できる好機も逸したとの声も聞かれる。

日銀は10月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2012年度の実質成長率を前年比プラス1.5%と見通していた。しかし内閣府が11月12日に公表した7─9月の実質成長率は前期比0.9%減、年率で3.5%と大幅なマイナスとなっており、年明けによほど景気が盛り返さなければ今年度の成長率は1%を切る公算が大きい。内閣府も「景気後退入りした可能性」があると指摘している。民間のあるエコノミストは、今回の会合について「日銀が見通しを外したのだから追加緩和が自然」と話す。

だが異例の2カ月連続の緩和に踏み切った日銀としては、会合のたびに新たな政策を打ち出すとみられるのは避けたいところだ。記者会見した白川方明総裁は、「海外経済は8、9月と悪化してきたが、先般出席した11月の20か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)会合でも、世界経済がさらに悪化してきている感じではなかった」、「今、リーマンショックの後の大きな落ち込みを想定しているわけではない」などと発言。景気の見通しは下方修正しながらも、下振れ程度は追加緩和が必要なほど大きくないことを示すため、言葉を丁寧に選びながら質問に答えた。

衆院選の争点に金融政策が浮上したことで、「野党圧力で動けば与党から、与党圧力で動けば新政権から反感を買う可能性があり、見送ったのかもしれない」(民間エコノミスト)との見方も浮上している。

市場関係者の間では、次回12月会合には追加緩和に踏み切るとの予想が大多数だ。クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏は「12月末は米FRBが短期国債を売って長期国債を買うオペレーション・ツイストが年末に終了するのに伴い金融緩和を強化する公算が大きく、日銀も動かざるをえない」と指摘。また、「10月末の景気見通し、特に12年度が楽観的すぎ、追加緩和の規模も不十分だったため小出しの追加緩和に今後迫られる」とみている。

12月16日の総選挙で強力な金融緩和論者の自民党・安倍晋三総裁を中心とした新政権が生まれれば、直後の次回会合で日銀が追加緩和に踏み切っても、米金融緩和や国内の政治圧力に押されて動いたとの印象を与える可能性がある。日銀は来春に正副総裁が任期満了を迎えるが、人事は新政権が握っている。今回の会合で先手を打ち、景気判断の引き下げとともに追加緩和に踏み切っていれば、「(日銀は)積極的に動くというイメージを出せてプラスだったかもしれない」と、ある民間エコノミストは指摘する。

(ロイターニュース 竹本能文;編集 久保信博)

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