November 21, 2012 / 1:23 AM / 6 years ago

貿易収支は4カ月連続の赤字:識者はこうみる

[東京 21日 ロイター] 財務省が21日に発表した10月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は5490億円の赤字となった。赤字は4カ月連続。海外経済の減速や日中関係の悪化を映した輸出の低迷が響いたとみられる。

11月21日、10月貿易統計速報によると、貿易収支は5490億円の赤字となった。赤字は4カ月連続。写真は12日、都内の港湾施設で撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

市場関係者のコメントは以下の通り。

●対中輸出の減少大きく貿易赤字続く見通し

<岩井コスモ証券 投資調査部 エコノミスト 田口はるみ氏>

赤字幅が予想以上に拡大した。米国向け輸出は伸び率が上昇したが、日中関係の悪化を背景に中国向け輸出の減少が顕著で、全体としても輸出の低迷が響いている。一方、輸入ではiPhoneなどの通信機が増加。国内企業の競争力低下などが影響しているのだろう。日中関係の悪化はすぐに解決するわけではなく、今後も輸出の低迷を背景とした貿易収支の赤字継続が見込まれる。貿易赤字は円安に振れやすくさせ、株式市場にとってプラスになる可能性はあるが、業種によっては構造的な問題が悪影響を及ぼすとみている。

●輸出先行きに明るい兆し増えてこない

<みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト 上野泰也氏>

予想比では赤字幅が大きくなった。輸出に関して、アジアは尖閣諸島問題が穏当な解決が見えていないだけに中国要因という大きな障害があるためだ。米国は持ちこたえているが、ひと頃の伸びがない。欧州向けも景気停滞が続きそうな状況で悪い。輸出の先行きに関しては、明るい兆しが増えてこないようだ。

輸入は伸びに関しては頭打ち感が出てきた。今後は選挙の争点にもなっている原発政策の行方に注目している。

●中長期的に赤字縮小の可能性

<東海東京証券 チーフエコノミスト 斎藤満氏>

輸出の落ち込みはトレンド要因、循環的要因、特殊要因によってもたらされている。

大手製造業では国際競争力がじわりと低下し、他国の企業に市場を奪われている面がある。循環的要因としては欧州をはじめ外需が弱いことが輸出減の一因だ。また、対中国、対韓国関係が悪化していることも輸出の足を引っ張っている。循環的要因と特殊要因は今後半年程度は続き、もう一段貿易赤字が拡大する可能性がある。

一方、輸入は脱原発政策下で燃料輸入が増えるなか、中東情勢を反映してエネルギー価格が高止まりしているため、今後もある程度の規模を維持するだろう。ただ、メタンハイドレート等の開発・取得によって、中長期的に日本の輸入構造が変わり、輸入が減少する可能性がある。

結論として、半年先をみれば赤字が縮小する可能性を秘めている。

為替相場の影響については海外投機筋の主な関心が日本の政治情勢・金融政策にシフトしているため、一時的は影響はあっても、日本の貿易収支が円売り材料として定着することはないだろう。

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