November 26, 2012 / 10:17 AM / 7 years ago

日銀は円相場小康状態でも警戒、高値長期化による企業への影響懸念

11月26日、リーマンショック以降ほぼ一方的に上昇した円相場は、ここ1年小康状態を保っている。しかし日銀の白川総裁は、円高が日本経済に与える影響にあらためて強い懸念を表明した。都内の日銀本店で5月撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)

[名古屋 26日 ロイター] リーマンショック以降ほぼ一方的に上昇した円相場は、ここ1年小康状態を保っている。しかし白川方明総裁は26日、名古屋市内で行った講演と記者会見で、円高が日本経済に与える影響にあらためて強い懸念を表明。円高水準の長期化自体が企業経営に悪影響を及ぼすことを注視しており、警戒を解いていない様子をうかがわせた。

リーマンショック後に各国中央銀行は相次ぎ金融を緩和、そこに欧州債務危機も加わり、日本との金利差縮小や市場のリスク回避などを背景に、円相場は急速に上昇してきた。日銀によると、ドルやユーロ、ウォン、元などの名目為替レートを貿易額で加重平均した円の名目実行為替レートは、2007年11月から2011年11月までに約30%も円高が進んだ。

しかし11年11月から12年11月までの1年間を見ると、逆に円は約4%下落。主要中銀が積極的な金融緩和に乗り出す中で、先進国の政策金利が揃ってほぼゼロ%に低下したことに加え、足もとで欧州債務危機への警戒感が後退していることなどが要因だ。

それでも白川総裁が今回、あえて円高懸念を強調したのはなぜか。自動車を中心に輸出産業が集積する名古屋圏での講演だったから、というだけではない。今の円相場は急激に変動はしていないが、歴史的な高値圏で張り付いていること自体が、日本経済に悪影響を与えていると懸念したためとみられる。

講演に出席した地元の経済界代表からは、円高是正とデフレ脱却に向けた機動的な政策対応を求める声が相次ぎ、白川総裁も、円相場の高止まりによって「(企業経営者が)引き続き厳しい状況に直面している」と理解を示した。その後の記者会見でも「企業経営者にとって、現在の円高化した水準が大変厳しいことであることは十分認識している」と踏み込み、円高水準の長期化が「企業経営にさまざまな影響を及ぼしている」と語った。

日銀はこれまで、円高が急速に進行する局面で追加緩和に踏み切るケースが多かった。しかし異例の2カ月連続緩和となった9、10月は、金融政策決定会合前に円相場は大きく変動していない。白川総裁は会見で、9、10月の金融緩和について、円相場の高止まりが企業経営に及ぼす悪影響も考慮して決定したことを明らかにした。

足元では自民党の安倍晋三総裁の発言や日本の貿易赤字などを受けて、やや円安方向の動きとなっているが、継続的な円高圧力となっている欧州債務問題を始めとした海外情勢の先行きは依然として不透明。日銀では引き続き、円高水準の長期化が企業経営や実体経済に与える影響も念頭に入れ、政策対応を行っていく考えだ。

(ロイターニュース 伊藤純夫;編集 久保信博)

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