[ソウル 10日 ロイター] すべすべの肌、さらさらの髪──。これはK─POPの男性アイドルグループの特徴だが、彼らの影響を受けたアジアの男性の間で今、メンズコスメ商品が流行している。
韓国の化粧品企業は、同国の男性アイドルを次々に広告モデルに起用。世界的大手の仏ロレアルOREP.PAや英蘭ユニリーバULVR.Lなどとの競争に加わり、海外での販売拡大を目指す戦略を進めている。
「K─POPの男性スターはとてもかっこいいし、化粧品の効果も大きいと思う。それなら、私もと考えた」。こう話すのは、マレーシアの首都クアラルンプールでクラブ通いをするグラフィックデザイナーのLenard Hengさん(26)。
市場調査会社ユーロモニターによると、韓国の男性向け化粧品市場は約9億ドル(約740億円)規模で、世界全体の5分の1以上を占める。ただ、国内はすでに飽和状態で、成長の余地は余りない。
一方、アジアの新興市場では中産階級が拡大しており、ファンデーションやリップクリーム、スキンケアローション、アイライナーなどの男性化粧品の販売機会も拡大。ユーロモニターの推計では、今後5年間で中国とインドネシアだけでも需要4割以上増加する見込み。
タイのPitak Iamsamangさん(28)は、「韓国では男性スターがファンデーションを使っている。その影響で、ファンデーションを使い始めたバンコクの男友達もいる」と語る。
韓国の化粧ブランド、トニーモリーのキム・ジュンチョン最高経営責任者(CEO)は、「K─POPの男性スターの起用で、女性を魅了するとともに、男性にはアイドルのようになりたいと思わせる」と、アイドルを使った販促活動の効果を説明した。
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