December 10, 2012 / 4:57 AM / 7 years ago

総選挙こうみる:市場が失望に転じる可能性も=富国生命投資顧問

[東京 10日 ロイター] 富国生命投資顧問の櫻井祐記社長は、衆院選後のマーケット動向について、新政権の発足で変化への期待から当面浮揚するが、政策のトーンが変わり始めると失望に転じる可能性があるとの考えを示した。また、日本の潜在成長力の向上には、規制緩和や構造改革が不可欠と述べた。10日午前、ロイターの取材に応じた。

12月10日、富国生命投資顧問の櫻井祐記社長は、衆院選後のマーケット動向について、新政権の発足で変化への期待から当面浮揚するが、政策のトーンが変わり始めると失望に転じる可能性があるとの考えを示した。写真は4日、福島で撮影(2012年 ロイター/Issei Kato)

主なやりとりは以下のとおり。

──総選挙の結果をどのように予想するか。

「自民党に有利な選挙になっている感じがする。自民党、公明党の連立で過半数を上回り、3分の2を取る可能性もあると思う。第3極と言われる政党の中には、政策の一致が見られない党もあり、不利に働いている。残りの選挙戦で政策に違いがないことをアピールできれば、自民党に流れる票を第3極に取り寄せることができるとは思う」

──自民党の政権公約をどう評価するか。

「名目3%以上の経済成長については、日本の潜在成長率から判断して、不可能とまでは言わないが、非常に難しいとみている。また、物価目標の2%設定も達成については相当大変で、安売り競争でモノの値段が下がってしまう傾向はなかなか変わらない」

「円高是正策で『官民協調外債ファンド』を創設し、基金が外債を購入する政策に関しては、リスキーな面もある。実際に海外で製品をつくり日本に輸入している大手企業にヒアリングすると、ドル/円で85円程度までの円安なら良いが、90円は困るとの声もある」

「国土強靭化計画は、公共投資を行うことで、景気を浮揚させるという昔の自民党的な発想とも受け取れる。国債増発で賄うことになれば、円滑に消化できるかも疑問なことに加え、日銀引き受けとなれば、バランスシートがおかしくなることも懸念される」

──安倍晋三自民党総裁が打ち出している「無制限緩和」はどうか。

「現状はおカネを借りたいわけではない。大企業の資金は潤沢で、個人の金融資産もそうだ。将来が不安だからおカネを使わない。いくら緩和してもおカネは使わないことから、大胆な金融緩和の効果はある程度限界があると思う」

──日本の潜在成長力はどのようにすれば向上するか。

「規制緩和や構造改革を行うしかない。国益とのバランスにもなるが、規制緩和をして環太平洋連携協定(TPP)に入っていくことだ。より多くの外国人が日本に来て、より多くの日本人が外国へ出るようにすべきだ。また、規制緩和・構造改革の道筋を5年、10年プロジェクトとし、『決められない政府』から『決めることができそうな政府』にイメージが変わるだけでも大きく違う」

──新政権発足後のマーケットへの影響をどうみるか。

「今のマーケットは変化を期待している。新政権ができると、変化がすぐに起きるだろうという期待感がある。逆に言うと、マーケットは当面浮揚するが、具体的な対策が出てこないと、失望に転じる可能性がある。選挙後は政策のトーンが変わる。そこをどう評価するかだ」

「選挙結果が判明した段階で、日経平均株価は1万円を若干超えることもあるかもしれない。その後、過去の経験則から政策への失望感などで下がり始め、春ごろから夏場ぐらいまでは8000円─8500円程度で推移するのではないか。希望的な観測だが、規制緩和・構造改革つながるような話しが出れば、上昇に転ずることも考えられる」

「円債金利については、最初少し上昇するが、失望により買い戻されることで低下し、日本の政治、経済が変わる方向となれば上昇すると見ている。ただ、国債の増発には注意する必要があり、必ずしも株式相場にリンクしないと思われる。10年債利回りで0.6%─0.9%台が当面のレンジか。為替相場はくすぶる欧州問題や米国の『財政の崖』問題をにらみながら、ドル/円で78─85円でレンジを形成しそうだ」

(ロイターニュース 伊藤武文 編集:伊賀大記)

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