Reuters logo
総選挙こうみる:消費増税先送りなら国債信用力にネガティブ=R&I関口氏
2012年12月12日 / 07:52 / 5年後

総選挙こうみる:消費増税先送りなら国債信用力にネガティブ=R&I関口氏

[東京 12日 ロイター] 格付投資情報センター(R&I)・シニアアナリスト(日本国債担当)の関口健爾氏は、2014年4月に予定されている消費税引き上げに関し、増税先送りとなれば日本国債の信用力にネガティブに働くとの認識を示した。

12月12日、R&I・シニアアナリストの関口氏は、2014年4月に予定されている消費税引き上げに関し、増税先送りとなれば日本国債の信用力にネガティブに働くとの認識を示した。写真は2010年8月、都内で撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

また財政再建を進めるには歳出削減と歳入確保の両輪が必要とし、どの政党が政権を取っても、単年度の財政赤字を減らしていくという姿勢が重要と述べた。それが見えない以上は、日本国債の格付けについてポジティブな評価はできないとしている。12日午前、ロイターの取材に応じた。

R&Iは2011年12月21日、日本の発行体格付けをAAAからAA+に引き下げて以来、具体的な格付けアクションを起こしていない。格付けの方向性は安定的。

主なやりとりは以下のとおり。

──いわゆるアベノミクス政策をどう評価するか。

「自民党の安倍総裁は、デフレ・円高対策として大胆な金融緩和を打ち出した。公約に盛り込んだ以上は、相当程度の緩和に踏み込んでくるだろう。円安が進行すれば輸出企業が復活し、景気に好循環が生じる。景気回復シナリオを意識したのだろう。税収確保の観点からも重要な政策だ」

「格付機関として金融緩和に副作用があることを看過することはできない。日本経済は金利上昇にぜい弱な体質になっている。仮に日銀による国債引受など異例な政策を実行した場合、マーケットの心理的な影響は計り知れない。財政再建など息の長い政策を推し進めないといけない局面で、市場に不安要素が織り込まれることは危ない」

──日増しに財政拡大圧力が強まっているが。

「公共投資を否定するわけではない。中期的に日本経済の基礎的体力を高めるという観点で本当に必要なのかどうかがポイントだ。足元の景気浮揚効果だけを狙って、財政拡張予算を組むことは評価できない」

「財政再建を進めるには歳出削減と歳入確保の両輪が必要だ。基礎的財政収支が着実に改善したとしても、歳入不足の相当程度を国債発行で補う構造は変わらず、国債利払い費負担は増加する。どの政党が政権を取っても、年々歳々の財政赤字を減らしていくという姿勢が大事だ。それが見えない以上は、日本国債の格付けについてポジティブな評価をすることはできない。新政権発足後に本格化する来年度予算編成で、1年分の内容と中長期な財政再建への取り組みの観点から精査していく」

──安倍総裁が2014年4月の消費増税について慎重な姿勢を示しているが。

「2012年4─6月、7─9月期と2四半期連続のマイナス成長となった。今年の成長見通しに狂いが生じ、12年度は弊社が当初に予想していた実質成長率1.5%をかなり下回る可能性が出てきた。安倍総裁は来年4─6月の指標を見て秋に増税実施の判断をするとしているが、数値的にみれば厳しいかもしれない」

「しかし、消費税増税が困難との見方をメーンシナリオに置いていない。そこには必ず政治判断が働くと予想される。現時点で増税への道筋ができていると判断している。万が一、消費増税が明確に先送りとなれば、クレジット上はネガティブに働くだろう」

(ロイターニュース 星 裕康 編集:伊賀大記)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below