[パリ 11日 ロイター] ローマ法王ベネディクト16世(85)が11日、高齢を理由に今月末で退位する意向を表明。これにより後継の選出が行われるが、カトリック教会史上初めて欧州出身ではない法王が誕生する可能性があり、中南米出身者も候補に挙がっている。
中南米地域は、全世界12億人のカトリック信者の42%を占め、25%の欧州を上回る世界最大のカトリック教地域。かつて法王のポストは、イタリア人が独占していたが、ポーランド出身の前法王ヨハネ・パウロ2世やドイツ人の現法王が即位するなど、今では国籍は関係なくなっている。
ローマ法王庁(バチカン)当局者2人は最近になって、後継者候補について異例の言及を行った。2人の発言の結論は、新法王が中南米出身者から選出される可能性が大いにあるということだった。
ドイツ出身のゲルハルト・ミュラー大司教は、「私はカトリック教会を主導できる中南米出身の司教や枢機卿を多く知っている。カトリック教会は、キリスト教の中心は欧州ではないと教えている」と述べた。
また、スイス出身のクルト・コッホ枢機卿は地元メディアに対し、「アフリカや南米から(新法王の)候補者が出ることはいいことだ」と指摘。その上で、欧州・非欧州の候補がどちらとも資格要件を満たしている場合は、非欧州出身者に票を投じると語った。
バチカンの報道官によると、法王は28日1900GMT(日本時間3月1日午前4時)に退位。新法王はシスティーナ礼拝堂で行われる選挙会議「コンクラーベ」で、枢機卿の秘密投票によって選出される。
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