February 13, 2013 / 5:57 AM / 6 years ago

G7声明めぐる発言で相場一服、大胆な金融緩和期待は継続

[東京 13日 ロイター] 為替に関するG7(日米欧7カ国)声明は現在の円安などに懸念を示した内容だったとのG7高官発言が嫌気され、円安・株高基調には一服感が広がっている。次期日銀総裁による大胆な金融緩和への期待感は継続。世界的なリスクオン傾向に加え、日本の経常収支の悪化など円安材料はまだ豊富との見方も多い。

2月13日、為替に関するG7声明は現在の円安などに懸念を示した内容だったとのG7高官発言が嫌気され、円安・株高基調には一服感が広がっている。写真は都内の為替トレーダー。2010年9月撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)

ただ、相場は短期的な過熱感もあり、週末の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議への警戒感も強まってきた。

<G20通過待ちか>

市場でG20への警戒感がじわりと広がってきた。G7高官が12日、G7声明について、円の過度な変動、および円相場に関する日本当局者の発言に対する懸念を示唆したものだったとの見解を示したことに対し、菅義偉官房長官が13日午前の会見で「G7それぞれの国の財政金融政策は為替レートでなく国内目的の達成に向けられるということ、今後もそういう方向で確認していくということだ」と述べるなど国内からは反論が出ているが、市場の反応は鈍い。

「G7声明については国内からの反論では不十分で、海外からのコメントが必要だろう。G20を通過するまでは相場も動きにくくなりそうだ」と外資系証券トレーダーは話す。午後序盤のドルは92円台に軟化し、日経平均も130円を超える下落。前場の東証1部売買代金は1兆0540億円と前日から約1400億円程度減少。高値警戒感もあり、様子見気分が強くなる中で、押し目買いよりも利益確定売りが優勢な展開になっている。

大和証券投資戦略部チーフ為替ストラテジストの亀岡裕次氏は「G7が為替に関する緊急声明を出したことは、間違いなく海外が円安を警戒、けん制しているということだろう。円安が進んでしまったことは容認したとしても、今後、日本がさらに金融緩和を大幅強化していくことは、少なくとも今の状況ではやりにくくなった。そうした見方が広がれば、円安の動きは一服、むしろ円高に振れやすくなりそうだ」との見方を示している。

<下ろせない金融緩和の看板>

ただ 為替に関するG7声明の内容自体は日本にとって中立との見方もある。「われわれの財政・金融政策が、国内の手段を用いてそれぞれの国内目的を達成することに向けられてきていること、今後もそうしていくこと、そしてわれわれは為替レートを目標にはしないことを再確認する」という部分は日本をターゲットにしていると読めなくはないが、デフレ解消目的の金融緩和と主張すれば、海外勢としても批判はしにくい。

また発言したG7高官を除いて日本に目立った批判は出ていない。ブレイナード米財務次官は11日、日本の「アベノミクス」政策にお墨付きを与えるような発言をしている。「日本批判が強まらなければ、日銀の追加緩和期待などを背景に円安はまだしばらくは継続するだろう」と野村信託銀行・資金為替部次長の網藏秀樹氏はみている。「口先介入」は行いにくくなったとはいえ、日本は為替介入など直接的な為替操作を行っているわけではない。

日本も「大胆な金融緩和」という看板をそう簡単には下せない。デフレ脱却を最優先課題に掲げるアベノミクスのコンセプトが瓦解してしまうおそれがあるためだ。マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏は「FRBもECBも大胆な金融緩和を行ってきたのであり、日銀が積極的な金融緩和をしたからといって非難される必要はない。日本経済がデフレを脱却し経済が活性化すれば他国にもメリットがある」と話している。

<経常収支からはユーロ高/円安に根拠>

ドル/円は12日の海外市場でG7高官の発言を嫌気し92円台まで下落した後、93円台まで反発した。「G7高官とはフランス筋ではないかとの観測が広がったため」(大手証券)という。ユーロ高が進む中、オランド仏大統領が12日、通商上の優位性を得るために、自国通貨を操作すべきではないとの見解を示すなど、同国の要人からは為替に懸念を示す声が相次いでいる。「フランス筋の発言であるとすれば、驚くことではないとの見方が広がった」(同)とされる。

ユーロ圏の経常収支は黒字傾向が続いており、黒字幅は通貨ユーロ導入来の最高水準となっているが、フランスは貿易収支、経常収支とも赤字が続いている。

一方、日本の経常収支は昨年11月、12月と初の2カ月連続で赤字になった。T&Dアセットマネジメントのチーフエコノミスト、神谷尚志氏は「経常収支という面でみれば、現在のユーロ高・円安には根拠がある。フランスが円安に強い懸念を示すのは、同国の弱い経済状態ゆえであり、他国の共感を得るのは難しい」との見方を示している。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 内田慎一)

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