March 5, 2013 / 5:42 AM / 6 years ago

物価2%達成、岩田氏「日銀の義務」・中曽氏「重い約束」

[東京 5日 ロイター] 政府が次期日銀副総裁の候補者に指名した岩田規久男・学習院大教授と中曽宏・日銀理事は5日、衆院・議院運営委員会で所信を表明した。

3月5日、政府が次期日銀副総裁の候補者に指名した岩田規久男・学習院大教授(写真左)と中曽宏・日銀理事(同右)は、衆院・議院運営委員会で所信を表明した。都内で撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)

岩田氏は日銀が掲げている2%の物価上昇率目標の達成は「遅くとも2年」と明言し、達成できない場合は辞職する考えを示した。日銀法を改正した方が目標達成は早まるとも語った。一方、中曽氏は物価目標について「重い約束」としたが、2年での達成には「必ずとは言い難い」と指摘。前例にとらわれない金融政策運営で、早期の実現を目指すと語った。

<岩田氏・物価目標達成が「日銀の義務」>

岩田氏は、日本経済のデフレからの早期脱却が日銀の責務として、2%の物価上昇率目標を中期的に達成することが「日銀の義務」と強調。具体的な目標達成時期について「遅くても2年」と明言し、目標が達成できない場合、「最高の責任のとり方は辞職だ」と踏み込んだ。もっとも、岩田氏は物価目標達成にあらためて自信を示し、安倍晋三首相が「大胆な金融政策」を掲げて以来、株高・円安などで「資産市場への影響がすでに始まっている」と指摘。予想インフレ率も上昇してきており、こうした流れを絶やさないためにも、金融政策のレジームチェンジが不可欠と主張した。

また、現行の日銀法は、物価目標の達成に日銀が全責任を負うという「レジームチェンジ」が担保されていないと述べるとともに、日銀法を改正した方が物価目標の達成が「容易になる」と発言。持論の日銀法改正の考えに変わりはないとの認識も示した。

<岩田氏・5年以上の国債購入でマネー拡大を>

目標達成の手段については「レジームチェンジ」とともに、マネタリーベースを大量に供給して長期金利に影響を与えることが必要と指摘。具体的には、現在、日銀が資産買入基金で購入している残存3年以下の国債について、「5年以上のものを買っていく」ことを挙げた。日銀による外債購入については「円安誘導と思われる外債をわざわざ買う必要はない」としたが、あらゆる手段を講じても物価目標が達成できない場合の手段として「(外債購入を)とっておくべき」と語った。

将来の金融政策の出口戦略に関しては、日銀が保有国債を市場に売却するよりも、当座預金に付されている金利(付利)の引き上げによって「銀行の信用創造を抑えるのが最初の常道」と指摘。出口戦略をスムーズに進める観点からも、インフレヘッジとなる物価連動国債の発行を「是非、再開してほしい」と語った。

<中曽氏・金融政策に工夫余地、前例にとらわれない>

中曽氏は、理事として日銀の金融政策運営に係ってきた立場も踏まえ、足元の物価上昇率がゼロ%近辺で推移していることに触れ、「結果が出ていない事実を重く受け止める必要がある」と指摘。これまでの政策には「工夫の余地があった」と語った。その上で、現在の経済状況を「デフレ脱却、経済の持続成長の実現にまたとないチャンス。この機会を逃してはならない」と位置づけ、副総裁に就任した場合には「前例にとらわれない新たな発想」で政策を展開していく考えを示した。

<中曽氏・2年での物価目標達成、「必ずとは言い難い」>

2%の物価目標については「日銀が自ら定めた大変重い約束」と強調。目標の達成に「全力をあげる」としたが、日銀総裁候補の黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁や岩田氏が念頭に置いている2年という達成期限については「必ずとは言い難い面がある」と言及を避けた。一方で、政府や民間などを含めた幅広い主体による成長力、競争力の強化に向けた取り組みが進展すれば、これまで累次にわたって実施してきた金融緩和の効果が一段と強まると主張。現在の緩和的な金融環境を企業や家計が活用すれば「デフレ脱却は、より早まる」との認識を示した。

(ロイターニュース 伊藤純夫 竹本能文;編集 山川薫 吉瀬邦彦)

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