March 29, 2013 / 9:43 AM / 7 years ago

アングル:マイナス幅拡大する消費者物価、2%へ道遠し

[東京 29日 ロイター] 総務省が29日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くベースで前年比マイナス0.3%とマイナス幅が前月より0.1ポイント拡大した。円安でエネルギー価格が上がっているものの、テレビなど耐久消費財の下落が指数を押し下げた。

3月29日、黒田新総裁率いる日銀は2%の物価目標必達を掲げ、来週にも大胆な金融緩和策を打ち出す見通しだが、道のりは遠いとの見方が多い。写真は日銀本店(2013年 ロイター/Yuya Shino)

黒田東彦新総裁率いる日銀は2%の物価目標必達を掲げ、来週にも大胆な金融緩和策を打ち出す見通しだが、道のりは遠いとの見方が多い。

マイナス幅が拡大したのは、昨年1月にエアコン、2月にテレビがそれぞれ調査品目入れ替えという特殊要因で大幅に上昇していた反動が出たため。2月はエアコンが前年比23.9%、テレビが同28.9%とそれぞれ大幅に下げた。一方、灯油は前年比12.6%、ガソリンは同8.1%と大幅に上昇。生活必需品は上がっても耐久消費財が相殺し、指数でみるとマイナスとなっている。

同時発表された3月の東京都区部のテレビ価格が前月比で11.8%と上昇に転じており、総務省では全国のCPIも3月以降はマイナス幅が縮小するとみている。

とはいえ、物価の今後の上昇ペースは緩やかなものにとどまる見通し。

SMBC日興証券の宮前耕也エコノミストは「石油製品が昨年上昇した反動もあり、3月の消費者物価指数はマイナス0.5%まで下落するが、昨年の原油価格下落の影響で、5月にはマイナス0.2%程度まで上昇する」とみる。4月の小麦価格値上げが、指数への影響が大きいパンの価格に転嫁されるなどの仮定を置けば、「年末にはプラス0.7%程度まで上昇する」と試算する。ただ、3月の中小企業金融円滑化法終了の影響が今秋以降に顕在化することや、2014年4月に消費税が5%から8%に引き上げられるなど、景気の下振れ要因が多い。政府の緊急経済対策や消費増税前の駆け込み需要の反動減も響く。このため2014年は「年初から物価が下落に転じる」(宮前氏)とみている。

みずほ証券の河上淳マーケットエコノミストは「テレビの特殊要因がはげ落ち、4月にもCPIはプラスに浮上する可能性あるが、持続性なく、年内はゼロ前後で推移する」と見通している。「短期的に物価上昇率を上げるには円安で輸入価格を上げるのが早いが、2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議以降は急激な円安が望めなくなり、難しい」と指摘。「金融緩和一本槍での2パーセント実現は論理が明確でなく、実現は期待しにくい」との見方だ。

シティグループ証券の道家映二チーフJGBストラテジストは「14年からの消費増税を実施すれば、景気・物価が失速し、2%達成は難しい。政権として増税と2%達成のいずれかを選択する必要が出てくる。両立させるには財政出動しかない」と言い切る。

金融緩和による円安には物価上昇効果があるとみられるが、「対ドルで10円の円安で消費者物価指数は0.2ポイントしか上昇しない。為替のみで2%を実現するには100円の円安が必要」(宮前氏)なため、実現は難しそうだ。

(ロイターニュース 竹本能文;編集 山川薫)

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