April 1, 2013 / 8:08 AM / 6 years ago

インタビュー:アベノミクスで悪い金利上昇生じるリスクも=全銀協会長

[東京 1日 ロイター] 全国銀行協会会長に就任した国部毅・三井住友銀行頭取は、ロイターとのインタビューで、銀行貸出は底打ち感が出ているとの認識を示したうえで、日本経済の成長期待が一段と高まればさらに貸出が増える動きが進むとの考えを示した。

4月1日、全国銀行協会会長に就任した国部毅・三井住友銀行頭取は、ロイターとのインタビューで、アベノミクスにより「悪い金利上昇」が生じるリスクもあるとし、財政規律維持の方向性を示すことが重要との見方を明らかにした。都内で2011年6月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

一方で、アベノミクスにより「悪い金利上昇」が生じるリスクもあるとし、財政規律維持の方向性を示すことが重要との見方を明らかにした。

主なやり取りは以下の通り。

――アベノミクスの評価は

「昨年12月に誕生した安倍政権は、三本の矢の方針を打ち出して、矢継ぎ早に政策を出した。円高修正、株高、景気回復に向けた動きが出つつあるのは、率直に評価できる。これを持続的な成長につなげる必要ある。中長期的視野に立った構造改革を実行して、潜在成長率を上げていくことが不可欠だ。そのためには、抜本的な規制緩和など、成長戦略の本格化が望まれる。もうひとつは財政規律維持への展望をはっきりさせる必要がある」

――全銀協としての取り組みは

「邦銀はバランスシートは健全で、金融システムも安定している。これらはポジティブな要因だ。銀行界に課せられた重要なミッションは、日本経済が長期停滞から脱却し力強く一歩踏み出せるように、金融面でしっかりサポートすることだ。顧客のニーズに真正面に向き合って、リスク管理しながら、取るべきリスクを取っていくことが重要だ。こうしたことを通じて、経済活性化や新たな成長分野の開拓に貢献する」

――アベノミクスのリスク要因は

「悪い金利上昇が生じるリスクがある。財政規律維持の方向性が見えなくなった時に生じかねない。現在、国債はほとんどが国内で消化されているが、貯蓄が少しずつ減少し、国内消化の比率が減っていき、財政規律健全化の道筋も見えないとなると、悪い金利上昇が起きて金融機関の経営にも大きな影響を与えることがありうる。また、米国をはじめ各国で大胆な金融緩和、資金供給を続けており、それが過剰流動性になっていくと、金融活動や企業活動がグローバル化している中で、バブルとして各国に伝播(でんぱ)するリスクはある」

――「悪い金利上昇」が生じる可能性は

「蓋然(がいぜん)的には、起こる確率は低いだろう。そういう意味ではテールリスクかもしれない。滅多には起こらないだろう」

――銀行の貸出動向はどう見ているか

「銀行全体の貸出は個人、法人合わせて前年比プラスできている。昨年9月頃から設備投資の末残も前年同月比プラスとなっていて、貸出は底打ちをしている感じだ。個別行の貸出では、中堅中小の法人がここ数年貸出減少していたが、2月以降、平残でもプラスに転じている。12月末も9月末比増加しているので、個別行でも底打ちしている感触だ」

「日本企業は六重苦という中で、将来の日本経済の成長についてあまり自信が持てない状況だったので、設備投資を控えていた。アベノミクスにより、将来の日本経済に対する成長期待、あるいは、デフレ脱却に向けた向けたさまざまな施策により、設備投資需要や運転資金需要が出てくれば貸出にとっては非常にいい環境になると、期待感を持ってみている」

(ロイターニュース 布施太郎 浦中大我;編集 田中志保)

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