April 9, 2013 / 8:02 AM / 6 years ago

インタビュー:熱狂は失敗へ、財政ファイナンスに警鐘=与謝野元経済財政相

4月9日、与謝野馨・元経済財政相は、黒田日銀新体制が打ち出した「異次元」緩和策に対し、「財政ファイナンス」であることは明らかだと警告した。写真は2011年、都内で撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 9日 ロイター] 与謝野馨・元経済財政相は、ロイターのインタビューに応じ、2%の物価目標を2年で達成することを大命題として黒田日銀新体制が打ち出した「異次元」緩和策に対し、「財政ファイナンス」であることは明らかで、健全な金融財政政策とは言えないと警告した。

期待に働きかけることで円安・株高が進行しマインドが好転しているが、国民が大熱狂する政策はたいてい失敗に終わると警鐘を鳴らした。

デフレ脱却のための金融政策の柱に2%の物価目標を掲げる「アベノミクス」について、与謝野氏は「インフレを政治家が政策手段として使ってはいけない。アベノミクスはインフレーションをあてにした政策論で、私は批判的だ」と述べた。物価目標達成の可能性については「日銀が物価を動かすことができるかというと、そんな道具は持っていない。能力も持っていない。そういう人に物価目標を作らせるのは無責任極まりない」と批判した。

異次元緩和を好感して、金融市場では連日のように円安と株高が進行。マインド好転による経済の好循環への端緒となっている。

しかし、与謝野氏は「日本経済が本当によくなるためにはやはり、人が良く働き、新しい技術を作り、海外でモノを売る努力を一生懸命するという、従来と変わらない努力が必要なのであって、レーガノミクスも失敗、サッチャリズムも失敗した。問題は政策が長い期間の評価に耐え得るかということにかかっている」と指摘。「ここ一週間、株が上がって、円が安くなったからといって、皆が喜んで、お祭りしているのは、この政策がダメだということを証明しているようなものだ」と皮肉った。

続けて「ギリシャ、ローマの時代から、国民が大熱狂する政策は大抵失敗に終わっている」と指摘。円安による政策効果については「日本経済にそんなに恩恵を与えるわけではない」との見方を示した。2%の物価目標については「2%も物価が上がれば国民は怒り、(利払い費の膨張で)財政の大赤字がどんどんどんどん増えていく」とし、取るべき手法ではないと批判した。

とりわけ、日銀による大量の国債買い入れについて、政府と日銀が「これは財政ファイナンスではない」と言っても、「財政ファイナンスであるということは明らかだ。決して健全な金融財政政策とは言えない」と指摘。「長期金利は理由もなくある日突然上がり始める。誰も打つ手がない。そういう性質のものだ」と懸念を示した。

*インタビューは8日に行った。

(ロイターニュース 吉川裕子;編集 石田仁志)

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