April 11, 2013 / 8:12 AM / 6 years ago

焦点:急浮上する国債の価格操作懸念、「国を挙げた地上げ」の声も

[東京 11日 ロイター] 日銀が異例の国債購入日の通告に踏み切った。これまでは日本証券業協会の基準気配が操作されては適正な価格が維持できないとの理由から明らかにすることはなかったが、国債取引が連日不安定になったことでその開示を余儀なくされた。

4月11日、日銀が異例の国債購入日の通告に踏み切った。「まるで国を挙げた地上げ」(邦銀)との声も聞かれる。都内の日銀本店で昨年5月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

「まるで国を挙げた地上げ」(邦銀)との声も聞かれ、今後、日銀が高コストで国債を購入するだけでなく、不透明な金利形成を誘発しかねないと懸念する見方も出ている。

日銀は11日、総額4.3兆円を市場に供給すると同時に、長期国債を12日に買い取ると発表した。黒田日銀による異次元緩和の対象から外された短期国債を安定化させるため、国庫短期証券を買い取る公開市場操作(オペ)も合わせて実施すると発表した。

資金の供給額そのものは、1日の資金供給額としては東日本大震災後の2011年3月23日に計5兆円通告して以来の規模。貸し出す期間も、一部を初めて1年に延ばし、「(日銀は)金利安定へ『不退転の決意』をみせた」(邦銀の資金担当者)との見方が広がった。また、日銀が長期国債2.5兆円余りを一気に買い取るとの異例の発表は、その効果がはっきり表れた。

大手銀行の一角が5年物の国債でまとまった売りを出したことが、相場が不安定になった一因とされる。購入日が新発5年物の入札前に前倒しさたことが明らかにされ、これまでの需給不安はひとまず後退、「売り注文を受けて在庫を抱えていた証券会社の買い戻しや、高値で日銀に売却できると先回りで国債を買う動きが広がり、一転して金利は軒並み下がった」(別の邦銀)という。

実際、この日の取引で一時0.320%に上昇していた新発5年物利回りは午後に低下し、0.190%と前日より0.085%下がった。先物相場は急反発し、東京証券取引所の長期国債先物は一時144円77銭と、前日より61銭高値で取引された。

ある証券会社の売買担当者は「銀行の売りが出たときは(2003年に史上最低金利から一転2%の金利上昇となった)『VaRショック』の悪夢が脳裏をよぎったが、異例の日程通告に正直、安どした」と明かす。

同時に、市場からは「日銀の焦りを浮き彫りにした」(外銀幹部)との声も漏れる。国債購入の規模から「実際にいつ買い取るのかの日程を巡る思惑が相場を不安定化させるなら、いっそのこと日程を開示したらどうか」(大手行幹部)との声もあったが、一方で「事前の価格操作を誘発しないか」(市場筋)と、その副作用を懸念する声は根強い。

前出の邦銀関係者は「もはや『国を挙げた地上げ』のようなもの。基準気配を意図的に釣り上げるような動きは日銀が高いコストを払う(高値で国債を購入する)だけでなく、不透明な金利形成を誘発しかねない」と話す。

(ロイターニュース 山口貴也 編集:久保信博)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below