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自動車大手決算は円安が追い風か、ドル100円でトヨタ最高益も
2013年4月11日 / 10:52 / 5年後

自動車大手決算は円安が追い風か、ドル100円でトヨタ最高益も

[東京 11日 ロイター] 自動車大手の2014年3月期は大幅増益になる見通し。北米や東南アジアの販売好調や円安が業績を押し上げる。

4月11日、自動車大手の2014年3月期は大幅増益になる見通し。北米や東南アジアの販売好調や円安が業績を押し上げる。写真はトヨタのロゴ。昨年10月、都内で撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

大手3社の連結営業利益についてアナリストは1ドル=90─95円を前提として前年比4─6割増加すると予測しているが、為替が100円近辺で推移すればさらなる上振れは確実。トヨタ自動車(7203.T)は08年3月期に記録した過去最高益(2兆2703億円)の更新も視野に入ってくる。

トムソン・ロイター・エスティメーツによると、アナリストが過去90日間に出した14年3月期の営業利益予想は、前年実績予想に比べトヨタが約6割、日産自動車(7201.T)、ホンダ(7267.T)がそれぞれ約4割増加する見通し。

UBS証券の自動車担当アナリスト、松本邦裕氏は14年3月期の為替レートを1ドル=95円と設定した上で、トヨタの連結営業利益が2兆0500億円、日産が7200億円、ホンダが9000億円と予想する。仮に1ドル=100円が定着すれば、円安効果だけでトヨタの営業利益は2000億円、日産が1000億円、ホンダが850億円程度上振れるとみており、トヨタは「過去のピークに迫る数値に入ってくる」と話す。

円安は、輸出をしているすべてのメーカーにとってプラス要因だが、大手3社のなかではトヨタが最も恩恵を受けやすい。国内で生産した車両の半分以上を輸出しており、円安による採算改善効果が大きいためだ。リーマン・ショック以降、国内などで過剰設備が重荷になっていたものの、固定費の削減を強力に進めた結果、損益分岐点が低下。海外を含め、原則3年間は新工場の建設を見送る方針も公表済みで、コストが大幅に膨らむ予定はない。一方、ホンダは7月に埼玉県の寄居工場が立ち上がるため、スタートアップのコストがかかるほか、日産もメキシコなどの新工場稼働や新モデルの生産開始で継続的なコスト増が予想されている。

<円安で増えた経営の選択肢>

1年前の為替レートは1ドル=80─82円。自動車メーカーにとって円高が経営の最大のリスク要因だったが、日銀の大胆な金融緩和で円安の流れが加速しており、今年年初に各社幹部が理想的な為替水準として示した1ドル=100円が目前に迫っている。80円前後の円高局面ではコスト抑制など限られた手しか打てなかったが、円安で業績が改善し、手元資金に余裕ができれば経営の選択肢は増える。

今期以降は、先行投資に回したり、内部留保として手元に残したりと各社の中期的な成長・財務戦略に沿った資金配分が可能になる。ボーナスの増額や部品メーカーに対する値引き要請の緩和、株主還元としての増配も選択肢になりうるだけに、各社の資金活用策にも市場の関心が高まりつつある。BNPパリバ証券の自動車担当アナリスト、杉本浩一氏は「経営者の腕が試される局面になってきた」と指摘する。

設備投資については、ここ数年間は円高や国内需要の鈍化を理由に海外が優先されてきたが、今期以降は国内投資も検討される可能性がある。トヨタの豊田章男社長は10日、記者団に対し「グローバルの中で日本で作ることが一番競争力があるというところに一日も早く持っていきたい」と述べ、国内生産の競争力向上に意欲を示した。

ティー・アイ・ダヴリュの自動車担当アナリスト、高田悟氏は、トヨタは東北や九州に比べて中部地域が手つかずの状態になっていたと指摘する。マザー工場としての日本の位置付けを明確にするため、東北などで導入済みの高効率ラインへの更新など「中部地域においても効率化のための投資が考えられる」と語る。

<中国の販売回復は不透明>

円高が修正される中、事業リスクとして挙げられるのは中国の販売だ。13年の中国市場は前年比7%の伸びが予想されているが、スタートでは欧米勢に比べ出遅れた。日本勢は昨年の反日デモの影響から完全に立ち直っておらず、1─3月はトヨタが前年同期比12.7%、日産は同15.1%、ホンダが同5.2%それぞれ減少した。減少幅は段階的に縮小してきているものの、いつ反日デモ前の状態に回復するかは不透明だ。

一方、北米やインドネシアなどの販売は堅調に推移する見通し。米国では、住宅価格の上昇や住宅着工の増加など消費者心理が上向き、スポーツ多目的車(SUV)やピックアップトラックの販売が増えている。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)幹部は、向こう4、5年間は自動車の買い替えが進むため、力強い需要が期待できるとみている。日系メーカーは新モデルの投入が相次いでおり、値引きや販売促進のために使われるインセンティブ費用を積み増す可能性は低いとみられている。

(ロイターニュース 杉山健太郎;編集 大林優香)

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