April 14, 2013 / 4:37 AM / 6 years ago

焦点:投資熱高まるアフリカ、資源争奪戦は「時代遅れ」

[ヨハネスブルク 11日 ロイター] アフリカのビジネスブームに乗りたいのなら、どの国に投資するのかを吟味すると同時に、困難な道のりに備えておくことも必要だ。それでもブームの波には勢いがあり、道を誤らなければ利益を上げることができるだろう。

4月11日、アフリカでは従来の主な投資対象だった資源分野ではなく、新たな成長セクターへの注目が高まっている。ナイジェリアのラゴスで10日撮影(2013年 ロイター/Akintunde Akinleye)

かつて「絶望の大陸」とまで呼ばれたアフリカだが、今では成長率とともに利益率も高くなっていることから、政治家やこの地でビジネス展開する企業経営陣は、概ね楽観的なメッセージを発している。

アフリカ台頭のシナリオが強固なファンダメンタルズに基づいていることに疑いを持つ人はほとんどいない。つまり、世界でも抜きん出た成長、若い労働人口や消費者の増加、そしてアフリカが持つ商品(コモディティ)に対する世界的需要が高まっている点に、このシナリオは裏打ちされている。

このほど開催された「ロイター・アフリカ投資サミット」の参加者の大半は、アフリカ投資への強気の姿勢を見せていたが、一方でアフリカが不安定で障害が多い場所であるという警戒感も持ち合わせていた。

英スタンダード・チャータード銀行のダイアナ・レイフィールド・アフリカ担当最高経営責任者(CEO)は、「アジアの新興国市場と比べてみれば、アフリカにはより多くの障害がある」と語った。

物流の拠点であるナイジェリアやケニアを見れば、アフリカ大陸の潜在能力の高さがうかがえる。しかしその反面、コンゴやマリ、モザンビークなどは情勢が不安定で、大陸全体が決して平穏な場所ではないことが分かる。

アフリカ諸国に投資する人たちは、国によって異なった市場や文化、規制の枠組みがあることを理解しておかねばならない。「どれほど意欲があっても、投資家として多くの国で同時に成功を収めることはできない」。米カーライル・グループのサブサハラ(サハラ砂漠以南)向けファンドを担当するMarlon Chigwende氏はこう指摘する一方で、「適切な戦略で臨めば高いリスク調整後リターンを見込めるだろう」とも語る。

実際、昨年大きな成長を見せたナイジェリアとケニアの株式市場では、いずれも今年すでに20%以上上昇しており、短期間でもリターンを手にできる可能性はある。

<資源争奪戦は「時代遅れ」>

アフリカが台頭すると考えている人たちは、このシナリオが経済成長に限ったことではないと強調する。アフリカ開発銀行によれば、サブサハラ・アフリカの今年の国内総生産(GDP)成長率は5.8%と予想されており、世界からは羨望(せんぼう)の眼差しが向けられている。

同時に専門家らは、アフリカ諸国が民主主義や治安から経済運営や法による支配に至るさまざまな分野で前進していると口をそろえる。

ロシアの投資銀行ルネッサンス・キャピタルのアフリカ部門CEO、クリフォード・サックス氏らは、時代遅れの投資家はアフリカを石油や鉱物資源の貯蔵庫としてしかみていないと指摘。「資源争奪戦」という考えは全体像を捉えきれていないと分析する。

ルネッサンスの2002─09年までのデータによると、鉱物資源はアフリカの成長のわずか14%を支えているに過ぎず、一方で銀行取引や通信などのサービス業が53%を占めているのが実情だ。

カーライル・グループでも、食料や消費財、携帯電話などの急成長セクターに注力する計画だという。

<製造業への投資>

各国政府が、雇用や生活の向上を求める国民まで恩恵を確実に行き届かせたいなら、成長と投資を呼び込む機会を逃してはならない──。アフリカをめぐっては、こうした見方が一般的になっている。

トヨタ自動車のアフリカ本部長を務めるヨハン・ファン・ゼイル氏は、「アフリカには若者が多く、どのような形であれ彼らと経済を結びつける必要がある。雇用創出が重要になるだろう」と語る。また、「アフリカは消費大陸だけでなく、製造大陸としても成長する必要がある」と製造業への投資の重要性を強調した。

アフリカ全体では製造業が依然として乏しく、そのほとんどが大陸で最も経済発展を遂げた南アフリカに集中している。国連アフリカ経済委員会(ECA)やアフリカ連合(AU)によると、大陸全体の総生産高に占める製造業の割合は、1980─2010年までの30年間で、12%から11%に減少している。これとは対照的に、東アジアでは31%を超えている。

ただ、ルネッサンスのサックス氏は、雇用創出につながる投資を呼び込みたいからと言って、アフリカ各国政府が投資家たちのために法律を性急に変えることだけは避けるべきだと話す。

例えば、1980─90年代にかけて高い成長率を記録していたジンバブエを見れば、事態がどれだけ悪化する可能性があるかが分かるだろう。政治が原因で経済が崩壊状態にある同国では、政府が2000年に土地収用法を改正して白人から土地を強制的に取り上げ、黒人に再分配する政策を開始。この問題はなお混乱が収束していない。

ジンバブエのこうした「強奪政治」について、同国のテンダイ・ビティ財務相は、今年予定されている大統領選挙が正念場になるとの見方を示している。

アフリカ最大の産油国であるナイジェリアでさえ、イスラム武装勢力のボコ・ハラムによる攻撃などが続いており、治安面での深刻な課題もある。

それでも、スタンダード・チャータード銀行のレイフィールド氏は、ナイジェリアの市場は少々のことでは揺らぐことはないと語り、「アフリカの市場には1つおもしろい特徴がある。それは、長い目で見れば必ず報われるということだ」と自信を見せた。

(原文執筆:Pascal Fletcher、翻訳:梅川崇、編集:橋本俊樹)

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