January 20, 2012 / 9:42 AM / 8 years ago

ギリシャがデフォルトならユーロ急落=岩田・元日銀副総裁

1月20日、岩田一政・元日銀副総裁は、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥ることなどで通貨ユーロの急落と対ユーロでの急激な円高が発生する可能性に懸念を示した。2006年11月撮影(2012年 ロイター)

[東京 20日 ロイター] 岩田一政・日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)は12日午後、都内の日本記者クラブで講演し、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥ることなどで通貨ユーロの急落と対ユーロでの急激な円高が発生する可能性に懸念を示した。

円高対策として日銀による外債購入や金融緩和を伴った為替介入が有効と強調。欧米諸国が難色を示している円売り介入に理解を得るため、為替介入について国際的なルール作りが必要との考えを表明した。

岩田氏は4月予定のフランス大統領選でサルコジ氏が再選されない場合、ギリシャのデフォルト・リスクとあいまってユーロ圏は行き詰るリスクがあると述べた。民間投資家との債務削減交渉が難航しているギリシャは、強制的債務交換が実施されればデフォルト(債務不履行)と認定されるため、3月20日にもデフォルト(債務不履行)に陥る可能性があるとの米格付け会社フィッチの見方に同意した。

安全網である欧州金融安定ファシリティ(EFSF)については、フランスなど欧州9カ国の格下げにより融資可能額が4400億ユーロから2714億ユーロに縮小した上、ユーロ圏の決済システムに未決済残高が5080億ユーロも残っているため、総額2兆─4兆ユーロに引き上げる必要があると指摘した。

米経済については、ドルが2002年以降実質ベースで33%減価したため産業競争力が回復しつつある上、シェールガスの採掘拡大で経常収支も改善、これまでのドル安傾向が終わる可能性があると説明した。ただ民間・公的部門の巨額債務を背景にインフレが景気となり急落するリスクも残るとの見方を示した。

円高対策として、ユーロやドルの急落が起こる前に対策を準備する必要性を強調。岩田氏が委員を務める国家戦略会議で昨年10月提唱した多様な外貨建て資産の購入を可能とする50兆円の予防基金の創設を改めて提唱した。また、昨年12月末に米国が公表した為替報告書で日本が昨年の8月と10月に実施した為替介入に米国が不支持を表明したことを受け、国際通貨基金(IMF)で介入についての客観的なルールを作り、「正々堂々と通貨価値の安定が世界のためにもなるとの議論が必要」と述べた。

2012年度の日本経済については、年度前半に震災からの復興需要が主導し前年比2%程度成長との見通しを示した。一方、消費者物価指数は円高もありマイナス0.5%にとどまりデフレ脱却は難しいとの見方を示した。

復興需要は公共投資が予想よりも小規模で効果は10─12月期にはく落すると指摘。日本経済のリスク要因として、1)ユーロ急落に伴う円高、2)原子力発電所の稼働停止による電力不足、3)イランによるホルムズ海峡封鎖などによる原油価格急騰、4)首都圏直下型地震などの自然災害──を挙げた。なおユーロ危機が深化すれば2012年度日本経済の成長率が1%下振れるリスクがあると指摘した。

(ロイターニュース 竹本能文:編集 宮崎大)

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