January 25, 2012 / 6:52 AM / 7 years ago

貿易収支は12年も赤字継続の見通し、輸出回復しても輸入増加

1月24日、31年ぶりとなった2011年の貿易赤字は、震災被害などの悪条件が緩和する2012年も継続する見通しが強まっている。都内の港湾施設で撮影(2012年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 24日 ロイター] 31年ぶりとなった2011年の貿易赤字は、震災被害などの悪条件が緩和する2012年も継続する見通しが強まっている。原発停止の影響で燃料輸入が膨らむほか、復興需要で原材料輸入も増えるとみられているためだ。

一方で、欧州ソブリン危機などで外需の停滞が年前半は続きかねず、円高による競争力低下とあいまって、輸出の急速な回復は見込めない情勢となっている。

昨年、日本経済は大震災によるサプライチェーン寸断による生産激減やタイ洪水の影響、世界経済減速という重層的な悪条件に直面し、輸入急増と輸出減少が極端なコントラストを見せた。25日に発表された貿易統計速報によると、貿易収支は第2次石油危機の影響を受けた1980年以来、初の赤字を記録した。

今年の貿易動向についても、黒字回復は見通しにくい。輸出面では、なんといっても円高の影響がじわじわと拡大しそうだ。輸出競争力の低下は企業業績を圧迫しており、ロイター調査(12月上旬)によると、1ドル80円以上の円安を望ましいとする企業は全体の9割を占めた。現在の70円台となっている円高については「悪影響はむしろ強まっていく」(伊藤忠経済研究所)との見方もあり、輸出の弱含みはさらに続くと予想する声も少なくない。

輸出拡大のもう一つのハードルになってきた世界経済の悪化については、底を打ちつつあるとの見方も出ている。米国向け輸出は12月は数量ベースで増加に転じ、政府も日銀も米国景気について判断を引き上げている。11年には大地震やタイ洪水で大きな影響を受けた自動車生産や輸出も今後正常化が見込まれる。輸出の減少幅は少しずつ縮まっていくことを期待する向きもある。

しかし一方で、輸入は引き続き高水準が続いており、輸出の本格的な回復がなければ、貿易赤字を脱することはできそうにない。11年には輸出が2.7%減少したのに対し、輸入の伸びが12%も伸びて2年連続の2ケタ増となっている。

原子力発電所は今年春以降、全てが稼働停止に追い込まれる可能性がある。燃料輸入の増加や資源価格の高止まりが輸入の伸びを高めそうだ。さらに、「今後は復旧・復興需要に関る輸入の増加も見込まれる」(バークレイズ・キャピタル証券)いることもある。

こうした輸入の押し上げが続く限り、12年の貿易収支は赤字が続きそうだ。クレディスイス証券では、LNG 価格の高止まり、火力発電比率の上昇、空洞化進展や高齢化進展に伴う輸入誘発効果の継続などを背景に、月間3000─3500億円程度の貿易赤字が続く可能性が高いと試算している。

(ロイターニュース 中川泉;編集 北松克朗)

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