February 2, 2012 / 6:17 AM / 8 years ago

ソニー最終赤字2200億円に拡大へ、円高や液晶合弁解消が響く

[東京 2日 ロイター] ソニー(6758.T)は2日、2012年3月期の連結最終損益を2200億円の赤字に下方修正したと発表した。従来予想は900億円の赤字。昨年12月に合意したサムスン電子(005930.KS)との液晶パネル合弁「S―LCD」解消に伴って減損損失を計上するほか、円高進行やタイ洪水の影響が従来の想定を上回った。

2月2日、ソニーは2012年3月期の連結最終損益を2200億円の赤字に下方修正した。従来予想は900億円の赤字だった。写真は都内で昨年8月撮影(2012年 ロイター/Issei Kato)

前年同期は2595億円の赤字で、最終赤字は4年連続となる。

<サムスンとの合弁解消で減損634億円、円高の影響200億円>

売上高は前年比10.9%減の6兆4000億円(従来予想6兆5000億円)、営業損益は950億円の赤字(同200億円の黒字)に、それぞれ下方修正した。サムスンとの液晶合弁解消による減損損失は634億円。さらに一段の円高進行により200億円マイナスに響くほか、タイ洪水でデジタルカメラやパソコンの売り上げ見込みが従来より減少することも営業損益修正の主な要因。

1―3月期の想定為替レートは、ドル/円を従来の75円から77円に、ユーロ/円を従来の105円から100円に、それぞれ見直した。営業損益に対するタイ洪水被害の影響は、従来まで保険金込みで250億円と見込んでいたが、被害が広範囲に及んでいたり、一部保険金の入金が来期にずれ込むことなどで700億円に膨らむ見通しという。

また、持分法適用会社のソニー・エリクソンの10―12月期の営業損益が携帯電話市場の競争激化で想定を下回り、繰延税金資産に対する引当金330億円を持分法投資損失に計上した。これは従来予想に含まれていなかったが、2月めどに予定するソニー・エリクソン完全子会社化による持分の評価差益が従来想定を上回って900億円程度になるため、相殺効果で通期の営業損益見通しに影響はない見込み。

トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト18人の営業損益の予測平均は429億円の赤字だった。営業赤字はリーマンショック後の09年3月期に過去最大の2277億円を計上して以来3年ぶり。

<液晶テレビ事業の赤字、来期は半減目指す>

12年3月期の液晶テレビ販売計画は2000万台で据え置いた。液晶テレビ事業の赤字額は従来まで1750億円を計画していたが、サムスンとの液晶合弁解消によるパネル調達コスト低減で100億円の改善効果がある一方、合弁解消に伴う634億円の減損処理で、通期では2200―2300億円程度の赤字になる見通し。同部門は今期で8年連続の営業赤字となる。

記者会見した加藤優・執行役最高財務責任者(CFO)は、テレビ事業の黒字化については従来計画通り14年3月期に目指すこととし、同事業の来期の赤字額は「半減していく」との見通しを示した。

加藤CFOはさらに、来期の見通しについて、震災や洪水、液晶合弁解消の費用など特殊要因がなくなることから「2000億円くらいの連結営業利益が出ていないといけない」と述べた。ただ、中期経営改革で目標にしていた「12年度までの営業利益率5%」については「来期の達成は厳しい。13年度以降になる」と語った。

据置型ゲーム機「プレイステーション3」の今期の販売計画は1400万台に下方修正した。従来計画は1500万台だった。タイ洪水被害によって、デジタルコンパクトカメラの通期販売計画は従来の2300万台から2100万台に下方修正した。

<テレビ2000万台は達成可能>

4―12月期の連結業績は、売上高が前年比12.6%減の4兆8927億円、営業損益が658億円の赤字(前年同期は2731億円)、当期純損益が2014億円の赤字(前年同期は1292億円の黒字)だった。欧州はじめ先進国の市場環境の悪化や、円高とタイ洪水被害のほか、S―LCDの減損とソニー・エリクソンの引当金計上で持分法投資損益が悪化し、それぞれが営業損益に響いた。

4―12月期までの液晶テレビ販売は1600万台。通期2000万台の計画について加藤CFOは「残り1―3月期で400万台。昨年の同時期に450万台くらい売ったので達成は出来ると思う」と述べた。

<リストラや改革の効果、まだ表れず>

ソニーの業績修正について、ちばぎんアセットマネジメントの調査部長、奥村義弘氏は「他社に比べていち早くリストラを進めてきたはずだが、その効果が依然として見えてこない」と指摘。「経営陣が刷新されたことで今後の方向性をどうかじ取りしていくかが注目されるが、いずれにせよヒット商品が出ない限り業績の改善は期待できず、株価の回復も限定的だろう」との見方を示している。

RCMジャパンの寺尾和之・取締役運用部長は「営業赤字の拡大は見込まれていたので、赤字の規模や業績の下方修正はサプライズではない」とした上で、「今の市況の悪さに、改革のスピードがついていけるかはまだ不透明だ。株価の買い材料になるのは、テレビ事業の黒字化にめどがつくかどうかが重要なかぎを握りそうだ」としている。

(ロイターニュース 村井令二;取材協力 杉山容俊、エド・クラマン、江本恵美 編集:石田仁志)

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