February 17, 2012 / 10:32 AM / 7 years ago

日銀は積極緩和への転換アピール、インフレ目標論点でないと総裁発言

2月17日、白川日銀総裁は、インフレ目標の採用有無は本質的な論点でないと発言した。日銀は実質的なインフレ目標政策の採用と追加緩和を打ち出したが、緩和姿勢を改めてアピールするのが狙いだったとみられる。都内の日銀本店で2009年3月撮影(2012年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 17日 ロイター] 白川方明総裁は17日都内で講演し、インフレ目標の採用有無は本質的な論点でないと発言した。日銀は14日の金融政策決定会合で実質的なインフレ目標政策の採用と追加緩和を打ち出したが、インフレ目標政策は先進国でも厳格には運営されていない。

日銀としては、意表をついた追加緩和と組み合わせることで、デフレ脱却や円高是正に向けた緩和姿勢を改めてアピールするのが狙いだったとみられる。

白川総裁は講演で、インフレ目標政策を採用している先進国の中央銀行で目標とした物価水準が達成できなくても、ただちに政策転換を行うような機械的な政策運営は行われておらず、「短期的な物価動向ではなく、中長期的にみた物価や経済・金融の安定を重視する度合いを強めてきている」と指摘。「主要中銀の金融政策運営の枠組みは収れんしてきており、それがインフレ目標政策に当たるかどうかという分類学は、本質的な論点でなくなってきている」と強調した。

日銀の雨宮正佳理事も2月6日の都内での講演で、世界の中央銀行による金融政策の基本思想が、20年周期で交代してきたのと自説を展開した。どれだけ物価が上がるべきかを示し、達成を約束すインフレ目標政策が1990年以降、いくつかの中銀で取り入れられたが、リーマンショックを契機にバブルの累積や崩壊を未然に防ぐ際の不備が露呈。現在は物価のみならず資産価格など様々な市場への不断の目配せが求められていると指摘した。

実は、インフレ目標政策の代表的な採用国である英国のイングランド銀行は、過去2年近く目標の物価水準を達成できていない。中銀総裁は英財務相に対して達成できない理由を手紙で説明するだけだ。ニュージーランド中銀では目標達成に不十分な総裁を罷免できるとされているが、罷免権が行使されたことはない。

今月14日に日銀が打ち出したインフレ目標と追加緩和のパッケージの主眼をどう読み取ればいいのか――。市場の関心はそこに集まっている。ある日銀幹部は、「すでに大規模な緩和政策を行っているということを周知徹底することだった」と説明する。実際、市場では十分に織り込まれていなかった追加緩和は驚きをもって迎えられ、ドル/円は79円台、日経平均株価も9000円台を回復した。同幹部は、日銀に対する「マーケットの受け止めが変わりつつあるのを感じる」と述べる。

すでに為替市場が円安方向に振れ、米国の堅調な景気指標などを背景に国際金融市場が回復途上にある中での追加緩和は、後手に動きがちだった日銀のイメージ一新に寄与したのは間違いない。

(ロイターニュース 竹本能文:編集 布施太郎)

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