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インタビュー:日銀は必要ならさらなる対策検討も=岡田副総理
February 23, 2012 / 11:19 AM / 6 years ago

インタビュー:日銀は必要ならさらなる対策検討も=岡田副総理

[東京 23日 ロイター] 岡田克也副総理兼社会保障・税一体改革担当相は23日、ロイターのインタビューに応じ、デフレ脱却に向けた日銀の追加金融緩和決定を「大きな一歩」と評価したうえで、今後も、日銀は状況を注意深く分析し、必要があればいろいろな対策を検討するだろうとの認識を示した。

2月23日、岡田副総理は、デフレ脱却に向けた日銀の追加金融緩和決定を「大きな一歩」と評価したうえで、今後も、日銀は状況を注意深く分析し、必要があればいろいろな対策を検討するだろうとの認識を示した。都内で撮影(2012年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

経済運営では政府・日銀が同じ方向性を共有する意義を強調し、白川方明日銀総裁とも個別に会談し連携強化に努めていることを明かした。

日銀の追加緩和決定を受けて株安や円高に歯止めがかったことを評価したが、為替については「現時点でもまだ円高の状況にある」とし、「今の(円安)傾向がさらに進むことを期待している」と語った。

<日銀の追加緩和「インフレターゲットに近いもの」>

消費税引き上げ実現には経済基盤の強化が欠かせない。デフレからの脱却もそのひとつだが、岡田副総理は、14日の日銀の決定は政府の方向と一致し、決定を歓迎する意向を示した。物価目標設定に慎重だった日銀が、物価安定の明確なゴールを設定し、実現に向けた金融緩和の具体策も併せて決定したことを大きな一歩と評価。決定は「インフレターゲットに近いものと認識している」とした。

さらに、今回の決定などを受けて日経平均株価は9500円台を回復、為替市場では半年ぶりに80円台の円安水準を回復。岡田副総理は日銀決定を受けて「株式相場や円相場はいい方向に向かっている」と、政策効果を評価した。

そのうえで、副総理は今後の金融政策について「注意深く、状況をみながら、必要があれば、日銀のほうでいろいろな対策について議論し検討していただけると思う」と期待感を示した。

<日銀総裁とも個別に意見交換、世界経済の見通しで認識を共有>

デフレ脱却に向けた政府・日銀の協調のあり方では、政府は成長戦略に全力を傾注し、金融政策は日銀が責任をもって行っていくものだとして中央銀行の独立性を尊重する考えを述べたうえで、「方向性が同じでなければ効果が減殺される。同じ方向をもって政策効果を挙げていきたい」とし、岡田副総理も白川日銀総裁と個別に会談をするなどして連携強化に努めていることを明らかにした。

14日の追加緩和決定後にも、白川総裁から直接決定内容についての説明を受け「今後の世界経済の見通しについて共有した」ことを明らかにした。

岡田副総理によると、これまで数回、日銀総裁とは個別に会い、認識の共有化に努めているという。今後も「時々お会いしてコミュニケーションを取っていきたい」とした。ただ、日銀に対して「お願いしたことはない」と言明した。

<一体改革「総理も私も一点のブレもない」、年度内の法案提出は揺るぎない>

野田政権の最重要課題である消費税増税をめぐっては、民主党内で依然として反対論が根強く、連立を組む国民新党が消費税増税法案に反対の意向を示すなど、法案の閣議決定と成立には難題を抱えている。しかし、岡田副総理は「国民新党は反対と明確に言っているわけではない」とし、党内でも昨年末に野田佳彦首相も出席して合意を得たことを強調。「きちんと説明すれば理解されるはず」とし、3月中の法案提出は揺るがないと繰り返した。

一方で、「財政の現状に対してもう少し危機感をもつべきだ」と警告。社会保障・税一体改革は「政権として必ず行う」と言明し、この点について「総理も私も一点のブレもない」と強調した。

さらに、国民の理解を得るために、行政改革や政治改革の実現への固い決意を表明。23日の衆院で国家公務員給与引き下げ法案が可決されたことは「大きな一歩だ」とした。また、集中的に行政改革を進めるための「土光臨調」的な組織を作り、行政改革の推進に努める考えを示した。

日本の消費税増税を含む社会保障・税一体改革の行方は格付け機関も注目している。法案成立が危ぶまれれば政治の意志が問われ、市場への影響や格下げの事態も懸念されるが、岡田副総理は「成立しないと考えていないので、仮定の質問には答えない」と語った。

<ねじれ国会、重要法案成立で「妥協の用意はある」>

    ただ、衆参で多数派が異なるねじれ国会では、与野党が対決し重要法案が成立しない事態に直面している。岡田副総理は「現状ものごとが決まりにくいのは事実だが、現在の枠組みのなかでどう乗り越えていくか考えるべきだ」とし、「われわれは政権与党としてもっと努力しなければならない。同時に野党も国民の立場にたって、いろいろな協議に応じてもらいたい。われわれにも妥協する用意はある。しっかり協議に応じていただきたい」と述べた。

    重要法案について具体的な言及はしていないが、消費税増税法案をめぐる与野党協議は入口で立ち往生している。「妥協の用意がある」と柔軟姿勢を示唆し、法案成立に向けた決意をにじませた。

    <消費税10%後、さらなる上げで固定的に考えないほうが良い>

    消費税を含む税制抜本改革で、政府・与党は現行5%の消費税率を2015年10月までに10%に2段階で引き上げることを決定したが、消費税率の5%引き上げでは政府が財政健全化目標とする基礎的財政収支の黒字化には届かず、収支改善のためには一段の消費税上げが見込まれている。民主党が掲げる新年金制度実現にも巨額の財源が不可欠。しかし、政府は社会保障制度の安定と機能強化のための最終的な消費税の姿について示すに至っていない。

    この点について、副総理は、「2015年に消費税が10%となったとしても、プライマリバランスは赤字が半減するだけで黒字化しない。(従って)それで終わりではない」として10%超への消費税引き上げの必要性に言及しながらも、「その先のことについてはいろいろなオプションがある。前提となる経済成長や歳出削減がどれくらい実現できるかによって(将来必要となる消費税の)数字は変わってくる。そのうえで、増税が必要だとなった時に、それを消費税で賄うのか、その他の税でいくのかオプションはいろいろある。今、固定しないほうがよい」と述べるにとどめた。

    <東電の経営のあり方と国の関与、見解示さず>

    福島第一原発の事故で経営難に陥った東京電力(9501.T)の国有化をめぐっては、枝野幸男経済産業相が3分の2以上の議決権を取得する考えを示す一方、財務省は国民負担を最小化することを基本に考えるべきとして政府内での対立が際立っている。国の関与のあり方については副総理は「個別の企業にかかわる話で、所管でない閣僚が言うべきことではない」として言及を控えた。

    *ロイターとの単独インタビュー前に行った報道各社とのインタビュー内容を一部盛り込み構成しました。

    (ロイターニュース 吉川裕子 スタンレー・ホワイト 編集 橋本浩)

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