March 2, 2012 / 5:10 AM / 7 years ago

五輪=脱北の柔道家が祖国にリベンジ、息子に金メダルの夢託す

[ソウル 1日 ロイター] 1983年、北朝鮮に五輪で金メダルを取ることを夢見て柔道に励む16歳の少年がいた。しかし、その少年、 Lee Chang-sooさんは韓国の選手に敗れ、炭鉱送りとなって過酷な労働を強いられた。

現在45歳になったLeeさんは、約20年前に韓国に亡命し、ソウルで柔道教室を開いている。息子3人にも柔道を習わせており、自分が果たせなかった五輪で金メダルを取るという夢を息子に託しているという。できれば、北朝鮮の選手に勝ってメダルを獲得してほしいとするLeeさんは「ひどい苦しみを負った男が、負けずにこうして息子をちゃんと育てていることを見せてやりたい。それが私の復讐(ふくしゅう)の始まりだ」と話す。

Leeさんは北朝鮮にいたころ、1989年の世界柔道選手権ユーゴスラビア大会で銅メダルを獲得するなど、エリート選手としての生活を享受していた。高級車のベンツや経済的報酬も与えられていたという。

しかし、北朝鮮は1984年のロサンゼルス五輪と1988年のソウル五輪をボイコット。Leeさんは五輪に出場する機会を得られないまま、1990年に北京で行われたアジア競技大会で韓国の選手に敗れ、銀メダルに終わった。Leeさんによると、北朝鮮では、特に韓国の選手に負けた場合、強制労働収容所に送られるという。「最初は炭鉱に送られ、口答えをしたら今度はボイラー室に送られた」と、Leeさんは語る。

そして、別の収容所に送られるのを免れたLeeさんは1991年、スペインでの大会に出場した時に亡命する道を選んだ。「メダルを取っても、それは北朝鮮のものであって私のではない。目的を失い、亡命する方法を探した」と、当時を振り返る。脱北後、Leeさんの兄は政府により材木小屋に送られ、そこで命を落とした。他の家族も炭鉱に送られたという。Leeさんはあふれ出る涙をこらえながら、「今、私にはどうすることもできない」と語った。

Leeさんは国際大会で知り合った台湾出身の柔道家と結婚し、3人の息子に恵まれた。「韓国に来たことを後悔したことはない。息子にオリンピックで金メダルを取らせ、北朝鮮に後悔させてやる」と話した。

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