April 19, 2012 / 1:22 AM / 7 years ago

3月貿易収支、2カ月ぶりの赤字に:識者はこうみる

[東京 19日 ロイター] 財務省が19日に発表した3月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は826億円の赤字となった。輸出が6カ月ぶりに増加に転じたが、燃料価格の高止まりで輸入が増加基調を続けるなか、2カ月ぶりの赤字となった。

4月19日、財務省が発表した3月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は826億円の赤字となった。写真は都内のコンテナ港で3月撮影(2012年 ロイター/Toru Hanai)

市場関係者の見方は次の通り。

●予想より小幅な赤字にとどまる、月後半の輸入改善が寄与

<コスモ証券 投資情報部 担当課長 田口はるみ氏>

3月貿易収支は赤字幅が予想よりも小幅にとどまった。支払時期のずれにより、3月上中旬にまとまった金額での輸入が多かった一方、後半にかけて輸入が改善したことが予想とのずれにつながったとみている。輸出に関しては震災後の生産ストップから回復しつつあるほか、米自動車販売の好調などが輸出増に寄与したようだ。

先行きは、欧州圏の停滞が続き、欧州向けの輸出は改善が期待しづらいが、米国では良好な自動車のほか、設備投資も活発化しつつあり、改善傾向が続くだろう。新興国でもブラジルの利下げなど金融緩和の効果が効いてくることで輸出の増加が期待される。一方、輸入は引き続き燃料輸入の増加が重し。生産が伸びればエネルギーコストもかさみ、量・価格の両面で輸入を増加させるとみている。

●金利上昇リスク意識する市場参加者も

<ドイツ証券 チーフ金利ストラテジスト 山下周氏>

引き続き貿易赤字が出ていることは、中長期的な金利上昇リスクとして考えている市場参加者もいるだろう。

ただ、経常収支ベースで見ると、黒字が維持されており、国債ファイナンスは国内でできることから、明確な金利の上昇要因にはならないと思っている。

一方で、貿易赤字の金額がどんどん大きくなると、経常収支もカバーできなくなる。国内のカネ余り度合いが小さくなるため、円債にはネガティブな要因だ。

●貿易赤字続く、実需フローはドル円下支え

<みずほコーポレート銀行 マーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏>

2カ月ぶり赤字となったが、今のところほとんど反応していない。西村清彦日銀副総裁の発言で、海外時間に円を売った投資家がいたこともあり、そこで出払ってしまった可能性がある。IMMの円ショートは高水準にあり、リスク許容度でみれば円売りはかなりの水準まできている。円ショートポジションをさらに積み上げるだけの貿易赤字の内容ではなかったということだろう。一方、赤字が予想よりも小さかったことに反応した動きも限られた。

今後については、黒字も稀にはあるかもしれないが、基本的には液化天然ガス(LNG)の価格・数量面の増加が重しになる。今はシェールガスが話題になっているが、日本が恩恵を被るまでは、どうしても輸入に引っ張られて貿易赤字が続きやすい。

ドル/円への影響については、これは円を買いたい人よりも、円を売りたい人の方が多いということなので、上値を抑える人たちはいなくなる。最近、円高に行こうとすると、輸入企業が拾ってくるという話も耳にしており、そこが下値を支えるので、ドル/円は落ちにくいだろう。

ただ、実需のフローはそういう状況にあるが、投機筋の動きが気になる。円ショートの6万枚以上の積み上がりはどこかで清算しないといけないフローなので、ドル/円は清算する過程ではもう1度80円割れのリスクもある。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below