April 25, 2012 / 5:27 AM / 7 years ago

米国でBSE感染牛、6年ぶり4例目:識者はこうみる

[ワシントン 24日 ロイター] 米農務省は24日、カリフォルニア州で牛海綿状脳症(BSE)に感染した乳牛が確認されたと発表した。米国で牛へのBSE感染が確認されたのは6年ぶり。感染牛が初めて発見されたのは2003年で、今回は4例目となる。

4月24日、米国で6年ぶりに牛への牛海綿状脳症(BSE)感染が確認された。写真はカリフォルニア州チノの牧場でのビデオ映像から(2012年 ロイター/Reuters TV)

農務省は、食用への流通は阻止され、ヒトおよび動物の健康は守られていると説明し、すでに国際獣疫事務局(OIE)や牛肉輸出先への通知も開始。同省当局者は、牛肉輸出への影響はないとの見方を示した。現在、感染ルートなどを調査中だが、餌を通じて感染したわけではないとみている。月齢もまだ確定していない。感染牛は処分されることになっている。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●牛乳による感染リスクは極めて小さい

<アルバータ大学プリオンセンターのジャッド・エーケン教授>

(BSE感染が確認された乳牛のミルクを飲んだとしても)リスクは非常に小さいと見受けられる。牛乳内でのプリオンの活動は証拠がなく、大きな懸案事項とは考えられない。感染性因子のほとんどは脳や精髄組織で発生・増殖する。たとえ搾乳中の牛の体に傷口があったとしても、そこから牛乳に感染する可能性はほとんどない。

●米国産牛肉や乳製品は引き続き世界で最も安全

<ブッシュ前政権で農務長官を務めたマイク・ヨハンス氏>

今回の発見で最も重要な点は、予防策が連動した厳格な制度の中で、問題の牛を発見したということだ。つまり、流通網には出されておらず、米国産牛肉や乳製品は引き続き世界で最も安全だと言える。米国は国際的な家畜の健康基準に完全に準拠しており、貿易に影響はないはずだ。米国人および世界は、米国産牛肉の安全性に自信を持ち続けるべきだ。

●ブラジルの肉牛輸出には追い風

<サンパウロのコンサルティング会社スコット・コンサルタリアのアナリスト、アレックス・ロペス・ダシルバ氏>

この感染症は、衛生面のインパクトとしては輸出元にとって最大級だ。米国は市場シェアの一部を失う可能性がある。

もし、口蹄疫(こうていえき)が米国で発生したら、米国産の牛肉や牛乳の輸入は停止する。その影響は生産チェーン全般に広がる。

2003年12月に米国でBSEが確認された後、ブラジルの輸出は急伸し、00年に62万トンだった輸出は04年に186万トン余、05年には約220万となった。

今回の件がブラジルの輸出を支援するのは間違いない。

●米国の肉牛生産問題の長期化も

<サンパウロのコンサルティング会社ビグマ・ビーフの主任農学者、マウリシオ・ノゲイラ氏>

米国は2011年、牛肉の輸出で久々にブラジルを上回った。多くの商品を供給し、低価格戦略を展開した。今年は生産能力の低下で、米国の輸出は減少すると予想していた。しかし、このBSEのニュースでさらに急減し、ブラジルが市場シェアを取り戻す余地が出てきた。

さらに、輸出できない肉牛は国内市場にとどまるため、さらなる価格低下につながり、間引きを引き起こす。このことが、米国の肉牛生産問題を長引かせることになるだろう。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below