Reuters logo
下がらなかった欧州株、円高一服で日本株は自律反発
2012年5月8日 / 05:15 / 6年後

下がらなかった欧州株、円高一服で日本株は自律反発

[東京 8日 ロイター] フランスとギリシャ選挙を受けた欧州株が総じて堅調だったことで、市場センチメントはいったん落ち着いている。

5月8日、フランスとギリシャ選挙を受けた欧州株が総じて堅調だったことで、市場センチメントはいったん落ち着いている。写真は東京証券取引所。2008年11月撮影(2012年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

再選挙も視野に入ってきたギリシャの先行きには不透明感が強まっているが、フランスの政策に大きな変更はないとの見方が多い。スペイン銀行への公的資金注入期待も高まった。米景気減速懸念もあり金利は依然低水準だが、リスクオフの円高は一服し、日本株は自律反発となっている。

<「震源地」で食い止められた株安>

ギリシャの主要株価指数.ATGは6.7%安と急落したものの、フランスのCAC40種平均指数.FCHIは下落して始まった後、1.7%高まで切り返した。FTSEユーロファースト300種指数.FTEU3は0.73%、DJユーロSTOXX50種指数.STOXX50Eは1.55%高と、世界的な株安連鎖は「震源地」であるはずの欧州で食い止められた格好だ。

有権者が現職の緊縮財政路線を否定する結果となったフランスとギリシャ選挙だが、欧州市場で不安はそれほど広がらなかった。ドイツのメルケル首相は7日、オランド次期フランス大統領と連携して取り組む意向を明らかにし、市場が最も心配していた「メルコジ」体制の崩壊懸念は後退。「メルケル首相が多少譲歩する形で独仏の協調路線が継続するのではないか」(マネックス証券チーフ・エコノミストの村上尚己氏)との期待が高まった。

またスペインが公的資金を銀行救済に活用する可能性を示したことも市場心理を回復させた。スペインの銀行4位バンキア(BKIA.MC)のロドリゴ・ラト会長が7日、辞任。 同国のラホイ首相はこの日、経営難に陥った金融機関に公的資金を注入する可能性を示唆しており、会長の辞任で、バンキア救済に道が開けたとみられている。市場では「スペイン問題の所在はソブリンではなく不動産バブル崩壊で傷ついた金融機関」(外資系証券エコノミスト)とされ、公的資金注入への期待感は大きい。

ギリシャは第1党に立った新民主主義党(ND)のサマラス党首が連立政権樹立を断念し、再選挙実施の可能性も高まってきており、先行きは不透明だが、市場心理の落ち着きで「他国に不安が広がらなければ欧州セーフティネットでカバーできる」(国内証券)との強気な声も出てきた。

<ユーロの下値には買い需要も>

欧州の選挙結果に大きく反応したのは為替市場でのユーロだったが、欧州時間に入って以降は小康状態となっている。前日3カ月ぶり安値をつけたユーロは1.30ドル台でジリ安となったが、1.30ドル割れの水準ではユーロ買い需要も期待されており、大きく下押しするには至らなかった。

海外投機筋の間ではユーロ・ショート(売り持ちポジション)が膨らんでいるとみられている一方、下値ではユーロの押し目買いも観測されている。三井住友銀行・市場営業推進部のチーフストラテジスト、宇野大介氏は「(前日)欧州のマザーマーケットの選挙結果に対する反応は極めて冷静なものだった。ムード先行でアジア時間に売られたユーロは、米雇用統計発表前の1.32ドル台の水準まで反発余地がある」と話す。

円高一服で日経平均は反発。投資家の直近1年間の平均買いコストである52週移動平均線を前に下げ止まった。長期投資家による積極的な買いは乏しいが、自動車やハイテクなど輸出株を中心に短期筋の買い戻しが入っている。市場では「前日の大幅下落で先物への裁定解消売りもだいぶおさまった。5─6月はPIIGS諸国で満期を迎える国債も少なく、いったんリスクオンに転じる場面かもしれない」(みずほインベスターズ証券エクイティ情報部長の稲泉雄朗氏)との指摘もあった。

<「安全資産」は依然として高人気>

一方、円債市場は依然底堅い。高値警戒感がある中で、10年利付国債の入札を前にヘッジ売りがみられたが、入札後は円債先物は下げ幅を縮小している。

実施された10年債入札はクーポンが0.9%と2010年10月7日入札以来の1%割れとなったが、応札倍率は3.74倍と、前回の2.73倍から上昇。テールも小さく市場では「順調な結果だった」(国内証券)との評価が出ている。欧州選挙にともなうリスクオフの流れはいったん止まったが、低いクーポンであっても「安全資産」を求める投資家の需要は依然高水準であることを示した。

みずほ証券・マーケットエコノミストの河上淳氏は「クーポンが0.9%を割り込む金利水準でこれだけ強い入札となったことは、市場に買い安心感を与えるだろう。10年最長期国債利回り(長期金利)は2010年の最低水準0.82%が意識されている。厳しさを増す外部環境を受けて資金が国債市場に流れやすく、金利低下余地を探る展開を想定している」と話している。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 宮崎亜巳)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」
0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below