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ドル80円付近で動意薄、現在は「妥当な水準」との指摘も
2012年5月8日 / 07:20 / 6年後

ドル80円付近で動意薄、現在は「妥当な水準」との指摘も

[東京 8日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル高/円安の80円付近。機関投資家とみられる買いを受け一時80円台を回復したものの、その後は動意の薄い展開となった。

5月8日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ややドル高/円安の80円付近。機関投資家とみられる買いを受け一時80円台を回復したものの、その後は動意の薄い展開となった。写真は2010年撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

前日3カ月ぶり安値をつけたユーロは1.30ドル前半を中心に上値の重さが目立ったが、1.30ドル割れの水準ではユーロ買い需要も期待されており、大きく下押しするには至らなかった。ドル/円をめぐっては、日米2年金利差からみれば現在は妥当な水準との指摘も出ている。

午後3時までの取引で、ドル/円は79.88―80.08円での狭いレンジに収まった。仲値公示にかけて機関投資家の買いに押され80円台に乗ったものの、追随してドルを買う動きは見られず、再び79円台に反落。その後は方向感に欠ける展開となった。

ユーロ/ドルは朝方の高値1.3067ドルからゆっくりと軟化し一時1.3025ドルまで下落。ユーロ/円は一時104.17円まで売られた。朝方の高値は104.44円だった。

<ユーロは見方割れる>

足元でユーロ・ショートが膨らんでいる可能性がある中で、「今のところ、彼らがすぐにカバーする(ユーロを買い戻す)気配はみられない」(外銀)との指摘もあり、短期筋はユーロの一段の下落余地を見込んでいる可能性がある。

同様に「ユーロ/円にはまだ下げ余地があると見ている。(ユーロ/円が)100円方向に振れれば、ドル/円も78円台を臨む展開になるだろう」(輸入企業)との見方も出ていた。前日のユーロ/ドル、ユーロ/円の下落は、短期のファンド勢の動きを受けたもので、一過性のものにとどまったが、「今後は、欧米の実需勢やマクロ系ファンドが欧州の政局混迷を分析して、徐々に動き出すだろう」(同)という。

他方、ユーロの下値で着実に買いを入れてくる勢力もいるようだ。ユーロ/ドルは前日1.29ドル半ばと約3カ月ぶり安値まで下落したが、1.29ドル後半では中東やロシアによる外貨準備の通貨分散投資とみられるユーロ買いが散見されたという。

三井住友銀行・市場営業推進部のチーフストラテジスト、宇野大介氏は「(前日)欧州のマザーマーケットの選挙結果に対する反応は極めて冷静なものだった。ムード先行でアジア時間に売られたユーロは、米雇用統計発表前の1.32ドル台の水準に反発余地がある」と指摘。その上で、欧州債務問題が再燃するとの見方については「オランド氏はフランス一国ではなく、ユーロエリア全体の国益を考えた上で答えを出すはずだ。そもそも同氏の主張は財政健全化をやめるというものではなく、経済成長にも配慮が必要というスタンスであり、前日の市場の反応は同氏のスタンスを曲解したものだ」との見方を示した。

ギリシャについては「反財政緊縮派が躍進したとはいえ、政権を奪取したわけではない。また、選挙で掲げた公約の実施についてはギリシャの国内政治の問題であり、ユーロエリアの問題ではない」と指摘した。

<ドル円は妥当な水準>

今後のドル/円の見通しについて、市場では「米景気が下向き始めたことは確かなようだ。ドル/円は介入警戒感が続き下値が辛うじてサポートされているが、欧州景気も下向きになりつつあるので、クロス円の下落によって、ドル/円が足元をすくわれる(下落する)可能性もあるだろう」(外銀)と警戒する声が出ていた。

また、米10年国債利回りが1.9%を下回る状況で、追加金融緩和の余地もあり、ドルが上昇する地合いではないとの見方も根強い。

こうした中、みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は、ドル/円の適正水準について「日米2年金利差推計を前提とすると、現状の79円台後半から80円は妥当な水準だ」との見方を示した。

唐鎌氏は「ドル/円相場の80円割れが続いていることを受けて、円高相場の再来のような騒ぎ方を目にするが、こうした解釈には違和感を覚える」と指摘。「83─84円という水準は金利差面からの分析では明らかな無理を示唆していた」として「現状の79円台後半から80円という推移は、むしろ妥当な水準だろう」との見方を示した。

その上で「足元、実勢値が2年金利差から導かれる推計値に収束しつつあることを考えれば、あとはIMM通貨先物取引などに現れる投機筋のフローが調整されれば、円相場の騰勢もとりあえず落ち着くだろう」と予想した。

同氏は「調整の過程で79円割れの可能性がある」としながらも、「その後、米経済指標および米金利が再び持ち直すのに伴い、ドル/円相場も緩やかに持ち直す芽が出てくる可能性がある」とみている。

実需フローでは「上値を押える輸出企業のドル売り/円買いよりも、下値を支える輸入企業のドル買い/円売りが相当厚い印象で、現水準からドル/円が下抜けするにはかなりの悲観材料が必要だろう」という。

<80.10円はレジスタンスか>

テクニカル的には、一目均衡表の日足ベースの雲の下限と、週足ベースの基準線が80.10円にあり、この水準はレジスタンスとして意識されやすいという。実際、80.10円以上ではオファーが観測されている。

一方、下値は79.80円以下、79.50─79.55円ではストップが観測されており、これらを巻き込めば、一時的に下げが加速する可能性もある。

(ロイターニュース 志田義寧)

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