May 9, 2012 / 9:52 AM / 7 years ago

政府が東電総合計画を認定で国有化へ、家庭10%値上げも明記

[東京 9日 ロイター] 枝野幸男経済産業相は9日、東京電力(9501.T)の西沢俊夫社長と同社次期会長に内定している原子力損賠賠償支援機構の下河辺和彦運営委員長を呼び、1兆円の公的資本注入を柱とする「総合特別事業計画」について「慎重かつ厳正に審査し、本日付で原子力損賠賠償支援機構法に基づき主務大臣として認定した」と言い渡した。政府は原賠支援機構を通じて3分の2超の議決権を事実上確保し、7月にも東電を国有化する。総合計画では家庭向けの電気料金を10.28%値上げすることも示された。

5月9日、枝野経済産業相は東京電力の西沢社長らを呼び、「総合特別事業計画」について「本日付で原子力損害賠償支援機構法に基づき認定した」と述べた。写真は東電のロゴ。昨年12月、都内で撮影(2012年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

<潜在的に3分の2超の議決権確保>

原賠支援機構は、東電への出資時に「議決権付種類株式」により議決権の2分の1超を取得し、追加的に議決権を取得でき種類株式を引き受けることで潜在的には3分の2超の議決権を確保。枝野経産相は「いわゆる公的管理の状況になるが、この状況から早期に脱却できるよう全力で改革していただきたい」と両氏に伝えた。

<国費の投入は総額3兆4000億円強>

1兆円の公的資本のほか、賠償支援のための約8500億円の援助も決まり、東電への国費の投入は総額で3兆4000億円強に上る。枝野氏は認定を伝えた後の記者会見で、巨額の公的資金支援と料金値上げという国民負担が発生することについて、「大変遺憾で残念だが、電力の安定供給、賠償、廃炉を実行するうえで必要やむを得ないと考えている。公的資金は一定の時間がかかってもいずれ返してもらう前提だ。料金については現行制度で最大限の厳しい査定を行う」と語った。東電が公的資本を返済し、民営会社に復帰する時期のメドについは「今の段階で具体的な期間の見通しを立てることは困難」(経産相)としている。

東電本店で記者会見した西沢社長も、公的管理からの脱却時期については明言を避けたが、「10年以内に(出口戦略の)目鼻はきちっとつけたいというのが私の希望であり、考えだ」と述べた。

一方、家庭向けの料金値上げについて同社長は「今後速やかに国へ認可手続きを行う。希望だが7月1日から実施を考えている」と語った。同社は週内にも枝野経産相に認可申請する。標準家庭での値上げ幅は月額480円。値上げの期間について西沢氏は「3年間を考えている。その後は、3年たったら元に戻すと試算はしているが、その時の経営状況を含めて判断していく」と述べた。

<10年間で3兆3650億円超のコスト削減、14年3月期には1067億円の黒字見込む>

総合計画では2021年度までの10年間で3兆3650億円超のコスト削減を行う一方で、2013年4月以降に柏崎刈羽原発を順次、再稼働させることなどを前提とし、2013年3月期の当期損益2014億円の赤字から、14年3月期には1067億円の黒字に転じると見込んでいる。西沢社長は「総合計画には現時点で考えられる最大の合理化策を盛り込んだ」と語った。

改革の実施は3つのフェーズに分け、12年5月―13年4月の「改革導入期間」には、委員会設置会社への移行や機構による出資、金融機関からの資金協力による財務基盤の強化などを行う。13年4月―2010年代半ばの「改革加速期間」では、収益の確保や自己資本充実などによる社債市場への復帰や燃料調達の集約化等を進める。2010年代半ば以降は「改革展開期間」とし、連携等を通じた安定供給への取り組みの深化・拡大、新ビジネスの展開や積極的な国際展開などで収益の拡大を図る。

<社債市場への復帰、2010年代半ば以降のできるだけ早い時期に>

機構は、東電の集中的な経営改革に一定のめどがつくか、または社債市場で自律的に資金調達を実施していると判断した段階で、議決権付種類株式の一部を転換権付無議決権種類株式に転換すること等で、保有議決権を2分の1未満に低減させていく。社債市場への復帰については、2010年代半ば以降のできるだけ早い時期を目標としている。

(ロイターニュース、浜田健太郎 清水律子)

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