May 17, 2012 / 10:02 AM / 7 years ago

東電の私募債発行、公募債の担保価値薄める可能性=S&P

5月17日、S&Pは、東京電力が一般担保が付く可能性のある私募債の発行を検討していることについて、公募債の担保価値が薄まる可能性があるとの見方を明らかにした。写真は昨年5月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 17日 ロイター] スタンダード&プアーズ(S&P)は17日、都内で記者向け説明会(ブリーフィング)を開催し、東京電力(9501.T)が一般担保が付く可能性のある私募債の発行を検討していることについて、優先弁済順位の高い社債の絶対額が増えるため、公募債の担保価値が薄まる可能性があるとの見方を明らかにした。

その上で、今は(私募債の発行)が具体的になっていないため、格付けに織り込んでいないが、そうなってきた時には社債の格付けへの影響を考えなければならないとの見解も示した。主席アナリストの柴田宏樹氏が述べた。

「総合特別事業計画(総合計画)」が認可されたため、銀行が支援を続けないというのは難しい。柴田氏は「支援の前提となるのが原子力発電所の複数基の運転再開や電気料金の値上げだが、半年、1年と遅れるようであれば、銀行の支援姿勢が変わる可能性を見ざるを得ない。それが崩れると、SD(セレクティブ・デフォルト=選択的債務不履行)にもなりかねない」と話した。すぐに格付けに織り込むわけではないが、2─3年のスパンでみるときは注視するという。

銀行が東電に融資する時の条件は、基本的に無担保かつ長期。金利は事故発生前の低い水準で融資される。総合計画の中で、融資条件となる1兆円の公的資本注入や電気料金引き上げが明記されたことで、銀行ローンは無担保・長期ということになる可能性が高い。その一方で、銀行は回収・与信などのリスク管理の面で無担保・長期はなかなか対応しづらい。そうした時にどういう選択肢があるかというと、銀行が私募債という形で発行を引き受けるという方法がある。社債のため、一般担保が付く可能性があると東電は説明している。

柴田氏は「銀行ローンから、銀行引き受けの私募債に一部変わっていく可能性がある」とみている。銀行側のメリットは、一般担保が付く可能性がある点で、東電側のメリットは担保とか保証によって金利が上がらなくて済む点、と指摘した。

「総合特別事業計画(総合計画)」策定の大きな目的のひとつが(公募)社債の発行。安定的な営業利益、プラスの当期利益が長期的に続く見通しが強まること、その前提として、原子力発電所の複数基の運転再開や電気料金の値上げが実現していることが最低限見えてこないと、発行は難しい。柴田氏は「総合計画で示されているように、2015年3月期─2017年3月期と3年ぐらい安定した営業利益と当期純利益が続けば、投資家が社債への投資を検討するかもしれないが、格付け上は現状、織り込めていない」と判断している。

東電は社債市場への復帰について、2010年代半ば以降のできるだけ早い時期を目標としていることを明らかにしている。

東電の格付け(長期会社格付けB+/長期優先債券BB+)について、S&Pは11日、格下げ方向のクレジット・ウオッチを継続と発表している。

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