May 18, 2012 / 9:13 AM / 6 years ago

アングル:長短金利差4年ぶり低水準に、「薄氷の利益」積むメガバンク

[東京 18日 ロイター] 日銀が政策金利に据える翌日物金利と長期金利の差が18日、サブプライムローン問題に揺れた2008年3月以来、4年2カ月ぶりの低水準となった。ギリシャのユーロ離脱が取りざたされ、世界の投機マネーが安全資産としての日本の短期債に流入。

一方、国債運用での収益かさ上げが至上命題の銀行勢にとっては、収益の源泉である長短金利差の縮小で、期間利益の目減りが必至の情勢となってきた。

18日の国債市場で日本相互証券が提示する新発10年国債(322回、表面利率は年0.9%)の流通利回りが一時、量的緩和時の2003年7月に付けた0.815%と、8年10カ月ぶりの水準に低下。これにより、政策金利である無担保コール翌日物との差は0.7%前後と、4年2カ月ぶりの水準まで縮小した。

背景には欧州債務危機の再燃に伴う銀行など国内勢の投資スタンスの変化がある。

政治的混乱が絶えないギリシャを巡っては、6月末までに財政赤字削減法案が議会を通過しなければ「金融支援の中断は必至で、ユーロからの離脱が視野に入った」(外銀)との声がくすぶる。「相対的にみて安全資産」(安住淳財務相)との見方から、換金性の高い日本の残存1、2年の国債には、世界の逃避マネーが集中しやすい。

一方で、その流出先から「あぶり出されるように長い年限に浸み出してきた」(国内証券の営業担当者)のが、銀行などの円資金だという。

派生商品である金利スワップ取引では、株安による仕組債のヘッジ需要で20年や30年物に対する低下バイアスが急ピッチだが、「これまでスワップ金利のフラット化に追随してこなかった『現物買い』の動きが出ている」と、別の外銀関係者は明かす。

みずほや三菱UFJ、三井住友などの大手銀行グループでは、預金との兼ね合いで保有する国債の平均残存年限を2、3年程度にすることが多い。

2012年3月期決算によると、みずほが3行合算ベースで2.2年(前期末は1.7年)、三菱UFJが3.1年(同3.1年)、三井住友は2年弱にとどまっており、RBS証券の福永顕人チーフストラテジストは「キャリーを重視する慎重なスタンスから積極的にキャピタル・ゲインを狙うため、より長い年限に運用資金をシフトする動きが出てきた」と指摘する。

もっとも、こうした投資行動の広がりは巡りめぐって自分の首を絞めかねず、当事者からは「正直、苦しい」(大手銀行)との声が漏れる。

全国銀行協会によると、資金調達費用に人件費などの営業経費を加えた資金調達原価は、都市銀行で0.85%(昨年9月末時点の平均ベース)。「すでに逆ざやで、これ以上の利益積み上げは不可能ではないか」(国内証券)との声もある。

(ロイターニュース 山口貴也 編集:伊賀大記)

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