May 29, 2012 / 10:16 AM / 7 years ago

インタビュー:金利リスク、海外投機筋が売り仕掛ける予兆注視=みずほCB常務

[東京 29日 ロイター] みずほフィナンシャルグループ(8411.T)傘下のみずほコーポレート銀行とみずほ銀行で市場部門を統括している西惠正・常務執行役員は29日、ロイターとのインタビューに応じ、日本の金利が実体経済の動きに即して上昇する局面は当面ないが、海外投機筋が売り仕掛けやすい状況になっており、その予兆を注視する必要があると語った。

5月29日、みずほコーポレート銀行とみずほ銀行の西惠正・常務執行役員は、日本の金利について、海外投機筋が売り仕掛けやすい状況になっており、その予兆を注視する必要があると語った。写真は15日撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

また、金利低下余地が限られる中、運用収益を確保するために米債のウェートを上げていると述べた。

中期的には市場部門で、顧客企業に金利や為替などの価格変動リスクを回避するデリバティブを売り、そのリスクを市場で売買するセールス・アンド・トレーディング部門の収益基盤を強化する方針も示した。特にアジアでの顧客取引の拡大を増やすとしている。

インタビューの主な内容は以下の通り。

――日本国債を買い進める余地はまだあるか

「今以上に日本国債の保有リスク量が大きく増えることはない。預金が増加する一方で、海外貸出も増やしているためだ。日本国債の残存期間は3年以下にしている。理由は、過去の金利急騰の場面では、海外の投機筋が金利スティープ化のポジションを取り、長いところの金利が上がるためだ。3年以下にすることで、金利リスク量としてはコントロールできる」

――経済実体に即した金利上昇のリスクはないのか

「日本国債のリスクは、3年後に国が元本を払わないという懸念から出ているわけではない。せいぜい1%金利が上がるかどうかというレベルだ。国債の信認性ではなく、行き過ぎた金利が戻るリスクだ。従って、日本国債よりも安全な商品があればそちらにシフトするが、それはない。国債が一番安全だ」

「逆にいうと、2003年以降ファンダメンタルに日本の金利が上がる局面は起っていない。現在の状態の中で金利上昇のストーリーは、海外投機筋によるデリバティブを使った売り仕掛けしかない。この動きはあり得るし、海外勢が仕掛けやすい状況にはなっている。特に長めのところを中心に金利の行き過ぎ感が出ているためだ。従って、こうした動きの予兆をしっかりみている。『水鳥の羽音』と本当に攻めてくる『馬の蹄音』を区別しなければならない。水鳥の羽音で逃げたら、収益チャンスがなくなる。しかし、源義経が攻めてきたら死んでしまう。そこを見極めないといけない」

――金利低下余地が小さくなる中で、どうやって収益を生み出すのか

「現在のポートの割合は、リスク量で円債が5に対して、ドル債が3を少し上回っている。ユーロは非常に小さい。ドルに対して10分の1以下だ。この3年間で変わったのはドイツ国債や仏国債などユーロを落としたことだ。日本国債はキャリー益が少なくなってきているので、ある程度、米債のウエートを増やすことで収益を取っていく。このうち3分の1がジニーメイ債だが、モーゲージ債をコアとして持っていてもおかしくはないというのが認識だ。3分の1をミニマムにして、4割近いところまでいく」

――運用ビジネス以外での取り組みはどうか

「2009年から、金利や為替のデリバティブ販売などのセールス・アンド・トレーディングの収益基盤を拡充させるべく手を打っている。特にアジア市場に注力しようということで、バンコクやソウル、台北を市場部門の直轄にして、これからシドニーも加えていく。国内でも営業しているが、限界がある。日本企業のアジアへの進出でカスタマーフローも増加し、現地企業との取引も増えている。セールス・アンド・トレーディングは金利が上がっても下がっても、安定的な収益源になる。大事に維持して少しずつ強化いく」

――人民元の直接取引が始まる

「東京市場でマーケットメイクをして、常時プライスを出すことで、まずは人民元と円市場の厚みを作っていくことが大事だ。人民元と円の市場の厚みが出てくれば、それに応じた運用や投資や、調達、社債市場などに波及していくだろう。昨年、エマージング通貨の部署を新設したので当面はそこで対応するが、必要となれば人員も増やしていく」

――足元の市場部門の収益はどうか

「3月に立てた収益計画を時点よりも、上振れして推移している。想定以上に金利が下がっているからだ。ただ、年間を通しての計画を上振れさせるほどではない。通期は不透明だ。ユーロの問題などで市場環境は激変するので安心できる状況ではない」

(ロイターニュース 布施太郎 浦中大我 編集:伊賀大記)

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