August 15, 2012 / 4:16 AM / 7 years ago

焦点:戦後67年、根強い中韓の反日感情は領土問題で先鋭化

[東京 14日 ロイター] 第2次世界大戦の終結から67年が経過。日中と日韓の関係は、3カ国ともにリーダーが交代する可能性がある今、領土問題などを背景に緊張感が増しており、さらに悪化の一途をたどる様相を呈してきた。

8月14日、第2次世界大戦の終結から67年が経つが、日韓と日中の関係は領土問題などを背景に緊張感が増している。写真は10日、日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)を訪問した李明博大統領。韓国大統領府提供(2012年 ロイター)

3カ国の経済的な結びつきは強く、日本と韓国は、米国と緊密な同盟関係にある。

しかし、終戦から約70年が経過した現代でも、日韓の間では、両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題をめぐり、解決の糸口が見いだせていない。韓国の李明博大統領が先週、竹島を訪問したことで両国の確執はさらにヒートアップしている。

日中関係では、東シナ海に浮かぶ尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる問題がある。また、戦没者をまつる靖国神社への参拝問題も懸案の一つ。野田佳彦首相は参拝自粛の立場を取っているが、閣僚が参拝するかどうかも注目されている。

日韓、日中関係において、日本の姿勢に違いもある。日本政府は、中国の軍事力・経済力の強化に懸念を示している一方、韓国に対しては安全保障の協力関係緊密化を求めている。ただ、日本が抱える両国との確執には、歴史が重くのしかかっている上に、現代の政治的圧力も加わっている。

「日本は隣国に対し、本当に悔いていると納得させることができていない」。コロンビア大学のジェラルド・カーティス教授は、日本政府が繰り返し発する占領・植民地支配への謝罪の言葉に対し、中韓政府は根強い不信感を抱いていると指摘。

その上で、「中国も韓国もこの問題を終わらそうとは思っていない。なぜなら、この問題は政治的利点として使えるからだ」との見方を示した。

竹島問題は、スポーツの祭典にも波及した。ロンドン五輪サッカー男子の韓国代表選手が、日本を破った3位決定戦の試合後、「独島はわれわれの領土」と書かれたボードを掲げた。同選手は五輪憲章に抵触する可能性があることから、表彰式を欠席した。

スタンフォード日本センター(京都)所長のアンドリュー・ホルバート氏は、「全ての問題は、この地域の過去に関する共通認識が欠けていることに起因する」と分析する。

ここ数年は経済関係と文化交流が発展しているものの、日本の植民地統治(1910─45年)からくる韓国の反日感情は根深い。昨年には李大統領が日本政府に従軍慰安婦問題の解決を優先するように求め、両国の緊張が高まった。日本側は、1965年の日韓国交正常化に関する協定で解決済みの立場を取っている。

<政治圧力>

日本政府は、1993年の河野内閣官房長官談話(河野談話)で従軍慰安婦問題を謝罪。2年後には元慰安婦に補償を行う民間の基金が設立されたが、これに対し韓国側は公式なものではなく、十分ではないと主張している。

今年6月には、日韓の間で軍事機密情報を共有するための「秘密情報保護協定」の署名が、韓国国内の政治的圧力から突然延期になった。

アナリストからは、支持率が低迷していることに加え、12月に後継を選ぶ大統領選を控える李大統領には、竹島を訪問して反日感情を利用したいとの思惑があるとの声が聞こえる。

「日本は韓国の大多数の国民から、同盟国と見られていない」。こう指摘するのは韓国・国民大学のアンドレイ・ランコフ氏。「よくあることだが、日本バッシングは、愛国心をアピールして支持獲得を求める政治手法だ」と解説する。

一方で野田首相も支持率低下に悩まされ、年内にも解散・総選挙に踏み切らざるを得ないとみられる状況の中、竹島問題には断固とした姿勢で臨むよう国内から圧力がかかっている。日本政府は李大統領の竹島訪問を受け、駐韓大使を召還するとともに、国際司法裁判所に提訴する手続きの検討に入った。

ただ、こうした問題はあるものの、日韓の関係悪化が軍事衝突に発展する可能性は低いというのがアナリストらの一致した見解だ。

一方、石油・ガス田の資源が豊富にあるとされ、日中関係の懸案事項となっている尖閣諸島問題。中国が10年に一度の共産党指導部交代を控え、日本側は中国の高まる影響力を懸念しており、尖閣問題の対応は難しさが増している。

尖閣諸島をめぐっては先月、野田首相が国有化する方針を打ち出し、日中の対立が先鋭化。また、東京都の石原慎太郎知事は、これに先立ち尖閣諸島を購入する方針を示していた。

最近の動きとしては、中国の領有権を主張する香港の活動家を乗せた船舶が尖閣諸島に向けて出港しており、15日にも上陸する見通し。日本の右翼団体も週末に尖閣諸島海域に向かう計画を立てている。

アナリストらは、衝突リスクは排除しきれないものの、アジアの2大経済大国の経済的関係は一層深まっており、このことが抑制効果として働くと指摘する。日中間の貿易額は2011年に前年比14.3%増となり、過去最高の3450億ドル(約27兆円)にまで膨らんでいる。

(原文執筆:Linda Sieg記者、翻訳:野村宏之、編集:宮井伸明)

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