August 31, 2012 / 1:16 AM / 6 years ago

7月鉱工業生産は予想外のマイナス:識者はこうみる

[東京 31日 ロイター] 経済産業省が31日発表した7月鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比1.2%低下の91.5となり、2カ月ぶりの低下となった。

8月31日、経済産業省が発表した7月鉱工業生産指数速報は前月比1.2%低下の91.5となり、2カ月ぶりの低下となった。写真は3月撮影(2012年 ロイター)

ロイターの事前予測調査では前月比1.7%上昇と予想されていたが、発表数値は予想を下回った。同指数に関する識者の見方は以下の通り。

●日銀の追加緩和の可能性高まる

<マネックス証券 チーフ・エコノミスト 村上尚己氏>

生産実績が事前計画からかなり下方修正されており、8、9月の生産計画もかなり弱い。5月から生産指数が下方トレンドに入っていることをを示す結果となった。貿易統計で示されていた輸出の停滞が、製造業の生産調整に直結している模様だ。

多くの業種で生産実績が事前計画から下方修正されているが、これまで製造業の生産活動全体を引っ張ってきた輸送機械も、夏場から調整局面に入っていることが示された。

すでに、政府が景気判断を下方修正しているが、その判断の妥当性を裏付ける鉱工業生産指数の弱さである。日銀も同様に、輸出や生産見通しを下方修正するとみられ、来月以降、金融緩和に踏み切る可能性が高まった。

●予想以上に弱い、下期成長率に懸念

<岩井コスモ証券 投資調査部エコノミスト 田口はるみ氏>

予想以上に弱い。このところ欧米や中国向けの輸出が落ちていた影響を受けているようだ。また業種別では電子部品・デバイス工業が低下しているのが目立つ。液晶テレビの不振が周辺産業に影響を及ぼしている可能性がある。基調判断は「横ばい傾向」で据え置かれたが、「下振れ」としてもいい内容だ。9月の予測指数もマイナス3.3%と大きく、下期の成長率見通しも引き下げざるを得ないかもしれない。

●在庫積み上がりを懸念、中長期的に債券買いの材料

<SMBC日興証券・債券ストラテジスト 岩下真理氏>

7月鉱工業生産指数速報は予想に反してマイナスとなり、とても弱い内容だ。需要減が中国のみならず、アジア全体にも波及していることが影響したのではないか。

季節調整のゆがみを踏まえると7─9月は本来であれば、4─6月の弱さをカバーして持ち直しても不思議ではなかった。需要減が中国のみならず、アジア全体にも波及している。しかし、低下した生産の数値のみならず、在庫が電子部品・デバイス工業や情報通信機械工業を中心に急速に積み上がった。在庫積み上がりが一時的、単月だけの現象と思えない。在庫率が低下しないと、大きな生産調整も余儀なくされる可能性がある。2四半期連続のマイナスも確実な状況になってきた。生産だけの数値をみていると、先行きの回復シナリオを描きにくい。

マーケットの関心は、今夜のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に向いている。9月の中間決算期末が意識されて動きにくいタイミングだが、中長期的には債券買いを促す材料になるのではないか。

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