September 19, 2012 / 1:11 PM / 6 years ago

日銀が10兆円の追加緩和、海外経済減速で景気に下振れリスク

[東京 19日 ロイター] 日銀は19日の金融政策決定会合で追加緩和を決定し、資産買い入れ基金を10兆円増額した。中国など海外経済の減速長期化で、景気の下振れリスクが高まったと判断。白川方明総裁は日本経済の回復時期について「従来より半年程度後ずれする」との見方を示した。

9月19日、日銀は金融政策決定会合で追加緩和を決定し、資産買い入れ基金を10兆円増額した。写真は都内の日銀本店で7月撮影(2012年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

世界経済の不透明感が強まる中、日米欧の中央銀行が相次いで追加金融緩和に踏み切った。

<中国など新興国の減速に言及、円高リスク注視>

日銀は基金の総額を10兆円増やして80兆円とし、買い入れ終了期間(2013年6月末)も13年12月末まで半年延長する。景気の現状については「持ち直しの動きが一服している」とし、前回8月会合時の「緩やかに持ち直しつつある」から判断を下方修正した。欧州危機に伴う中国経済の減速などを受け、輸出や生産が落ち込んでおり、個人消費の増加にも一服感が出ていると判断した。

追加の金融緩和は今年4月以来5カ月ぶり。10兆円の増額の内訳は、長期国債と短期国債の買い入れを5兆円ずつとする。政策金利は「年0─0.1%程度」と、実質的なゼロ金利政策を続ける。

白川総裁は会見で、従来から懸念を示していた欧州債務問題に加え、中国など新興国の減速が長期化する可能性に言及。景気が緩やかに回復するとの「メーンシナリオ自体を下方修正した」とした上で、日本経済の回復時期は「従来より半年程度後ずれする」と語った。特に中国は「素材など幅広い分野で在庫調整圧力があり、減速した状態が長引いている」と指摘。「過剰投資や潜在成長力が低下している可能性」などもリスクとして挙げた。

欧州中央銀行(ECB)が南欧諸国の国債を無制限に買い入れることを表明したのに続き、米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)に踏み切ったことも、日銀の背中を押した可能性がある。特にQE3は、労働市場が改善するまで続けるとしており、事実上の無制限緩和。現在は住宅ローン担保証券(MBS)のみの買い入れ対象に米国債も加われば、米ドル金利が下がり円高ドル安が進行しかねない。

白川総裁は他国の金融政策に合わせて「政策対応を機械的に行うことはない」と述べる一方で、円高は短期的には企業収益やマインドを通じた悪影響があると指摘、長期的にも企業の海外進出が必要以上に加速する点に注意していると述べ、円高リスクを注視する考えを示している。

<市場にはサプライズ>

このタイミングでの追加緩和は、市場には驚きをもって迎えられた。日銀が景気判断で重視する為替が円安方向に振れていたほか、政局混迷で日銀に対する政府からの圧力も少なかった。19日午後の東京市場では素直に円安・株高のリスクオンが進んだ。ドル/円は約1カ月ぶり安値となる79円前半、ユーロ/円は103円前半まで上昇、日経平均.N225は一時9200円台後半と約4カ月半ぶりの高値水準をつけた。

安住淳財務相は19日午後、日銀の決定について「一言で言うと大いに歓迎する。予想以上に思い切った対応をしていただけた」と述べた。

<国債買い入れで下限金利撤廃>

日銀は今回、基金で応札が予定額を下回る「札割れ」防止策も強化した。短期国債を買う際の0.1%の下限金利を7月に撤廃したのに続き、長期国債も下限金利をなくした。総裁は会見で、基金とは別に紙幣(銀行券)の発行ペースで買い入れている長期国債についても下限金利を撤廃すると表明した。

7月に下限金利を撤廃した際は、緩和目的というよりも札割れ対策である点を強調していたが、白川総裁は今回、「長期金利の下押し圧力となり、金融緩和の効果もある」と述べた。

(ロイターニュース 竹本能文、伊藤純夫:編集 久保信博)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below