September 24, 2012 / 5:27 AM / 7 years ago

欧中リスクに警戒感広がる、円高と株安が静かに進行

[東京 24日 ロイター] 円高と株安が静かに進んでいる。スペインの支援動向などの欧州債務問題や、中国の景気減速への警戒が強まっているためだ。

9月24日、円高と株安が静かに進んでいる。スペインの支援動向などの欧州債務問題や、中国の景気減速への警戒が強まっているためだ。写真は都内の外為トレーダー。2010年9月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

円高がじわりと進行するなか、日経平均.N225は9000円割れに迫り、10年円債金利は0.8%を割り込んだ。日米欧中銀による積極措置の効果に期待は残っており、「質への逃避」はそれほど強まっていないが、リスクオンの動きが一服するなか、商いは再び減少し始めている。

<スペインに再び警戒感>

前場の日経平均は反落。現物はかろうじて9000円大台を維持したが、12月限先物は一時8960円まで下落した。弱さが目立ったのは、欧州関連株だ。キヤノン(7751.T)は一時4%を超える下落となり、コニカミノルタHD(4902.T)、リコー(7752.T)などもユーロ安・円高が嫌気され売りが強かった。「欧米中銀の無制限買い取りに比べると日銀の緩和内容は見劣りするとして円高懸念が強い」(国内証券ストラテジスト)という。

ユーロ安の背景には、ギリシャやスペインなど欧州への警戒感が再び強まってきていることもある。ムーディーズは月内をメドにスペイン政府の長期債務格付け(Baa3)の見直し結果を公表するが、投機的等級に格下げされた場合、パッシブ系投資家からの売りで利回り上昇は避けられないと警戒されている。またスペインは28日に銀行のストレステストの結果を公表する予定で、民間銀行の資本不足額は、これまでの推計額の300─400億ユーロを大幅に上回り、500億─600億ユーロに達する見通しだ。

スペインは今年計画している中・長期債のうちの80%を発行したが、10月には275億ユーロの借り換えを控えている。支援要請しなければ格下げされる可能性も強まるが、スペインは支援に財政緊縮などの条件が付くことを警戒し、国債金利が比較的落ち着いている現時点では支援要請に消極的とみられている。スペインが国際社会に支援を要請した場合の条件を満たすため、年金の凍結と法定退職年齢引き上げの早期実施を検討していることが関係筋の話として伝わったものの、その後、ドイツやスペインの当局者から否定的なコメントが出た。

欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)・欧州中央銀行(ECB)で構成する3者調査団(トロイカ)によるギリシャの債務状況に関する調査報告も、米大統領選が行われる11月6日以降に延期される可能性があると指摘されている。

東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏は「ESM(欧州安定メカニズム)の稼働にめどが立ったほか、欧州中央銀行(ECB)の無制限の債券買い取り策もあり、最終的に売り方は負けるとみているが、格下げなどで短期的な警戒感が強まれば、リスクオフを進ませる可能性もある」との見方を示している。

<上海株は2000割れが視界に>

中国の反日デモ問題への警戒感も続いている。24日午前の上海総合指数.SSECは一時2005ポイントまで下落し、年初来安値を更新。2009年2月2日以来となる2000ポイント割れも視界に入ってきた。「日本からの部品輸出や海外からの対中投資が減少すれば中国自身のダメージも小さくないが、両国とも政治が不安定な時期であり、問題が長引く可能性もある」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏)という。

上海株はプラス圏に切り返し、日本株も下げ幅を縮小させたが、共同通信によると尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺に24日午前、中国の海洋監視船など3隻が相次いで近づき、緊張が高まっている。

<円債金利は横ばい予想最多>

ただリスクオフ・ポジションの構築が目立って加速しているわけではない。5営業日連続で1兆円を超えていた東証1部売買代金も24日前場は4084億円と減少気味。リスク資産への買いが減少するなかで手控えムードがじわりと広がっている構図だ。

シティバンク・外国為替部チーフFXストラテジスト高島修氏は、ユーロ/円や豪ドル/円の反落に見られるように為替市場はややリスク回避的な値動きを示しているが、金融資産市場では社債スプレッドが縮小し、むしろリスク選好回復の兆しが強まっていると指摘。「為替市場のリスク回避的な値動きはファンダメンタルズの反映というよりは、先週前半にかけて積み上がったリスクオン・トレードの巻き戻しにけん引されたものとみるべき」と述べている。

ロイターが実施した週次JGB調査で、今週の長期金利は「横ばい」予想が6割超にのぼり、2011年6月の調査開始以来、最高の水準となった。日本の長期金利は9月19日以来の0.8%割れとなったが、活発な投資家の動きは見られなかった。

(ロイターニュース 伊賀大記;編集 久保信博)

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