[ブラジリア 25日 ロイター] ブラジル・サンパウロの州裁判所は25日、動画共有サイト「ユーチューブ」に対し、イスラム諸国で激しい反発が起きているムハンマドの侮辱映像を削除するよう命じた。
差し止め請求は、同国のイスラム系団体がユーチューブを提供する米グーグル(GOOG.O)を相手に起こしていたもので、団体は映像の内容が攻撃的で、憲法上の宗教の自由に違反していると主張していた。
地元紙によると、判事は差し止め命令について、表現の自由のほか、宗教的差別を引き起こしかねない行為から個人や団体を守る必要性に照らして判断したと説明。違法行為の禁止は、思想や表現の自由の侵害に当たらないと指摘した。
この決定はブラジル国内のみに適用され、グーグルは10日以内に映像を削除するよう求められている。
ブラジルのユーチューブをめぐっては、マトグロソドスル州の選挙裁判所が、地元市長選の候補者を攻撃する映像を削除しなかったとして、グーグルのブラジル法人幹部に対する逮捕命令を出している。