February 2, 2012 / 4:52 AM / 8 years ago

コラム:フェイスブックはIPOで変貌するか

[ニューヨーク 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)最大手の米フェイスブックは1日、最大50億ドルの新規株式公開(IPO)を申請した。証券取引所への上場は、通常企業に多くの変化をもたらす。しかしフェイスブックの場合、既に上場企業たるべき資格をほぼ満たしているのは明白であり、IPOによって、企業ステータスがあらためて大幅に向上することはない。

2月1日、米フェイスブックは最大50億ドルの新規株式公開(IPO)を申請。写真は先月ラスベガスにて(2012年 ロイター/Steve Marcus)

まずは資金調達を考えてみよう。2004年に設立され、ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が率いるフェイスブックはこれまで、資金調達で問題を抱えたことはなかった。シリコンバレーのベンチャーキャピタリストやゴールドマン・サックス(GS.N)、マイクロソフト(MSFT.O)などから、既に20億ドル超を集めている。

いずれにせよ、フェイスブックは2009年以降、キャッシュフローがプラスで推移しているので、事業のために外部資金は必要としない状況が定着している。昨年は15億ドルのキャッシュを生み出した一方で、投資した金額はその半分にも届かなかった。

IPOで、既存の株主や従業員が保有株をより簡単に換金できるようになるというのは間違いない。実際、彼らの一部はIPOの際に売却する。だが、フェイスブックの株式は、既に「セカンドマーケット」のようなグレーマーケットで一定期間活発に取引されている。また従業員は3年前、ロシアの投資会社DSTが1億ドル相当の株式を直接買い取りたいと申し出た際に、現金を手に入れた。

株式公開には、企業の知名度を高めるというメリットもしばしば見受けられる。そして株主は忠実な顧客となり、今度は顧客が忠実な株主に転じる。しかし、フェイスブックは月間利用者が世界中で8億4500万人に達しており、アカデミー賞にノミネートされた映画の題材にもなった。今さらニューヨーク証取で鐘を鳴らしたところで、これ以上有名になるとは思えない。

もう1つの変化は透明性だろう。確かに、フェイスブックは四半期ごとに財務諸表をはじめとして、規制当局が求めるすべての書類を提出しなければならなくなる。またそうした書類が初めて、だれでも入手できるようになる。とはいえ、フェイスブックは既に約1200人の株主を持ち、彼らに財務情報を提供している。さらに、ザッカーバーグCEOは定期的に従業員と会い、会社の財務に関する厳しい質問を巧みにさばいている。だから経営陣はもう、投資家がどんなことを丹念に調べそうなのかを承知している。

ましてフェイスブックの経営幹部が突然、外部株主の声に注意深く耳を傾けようとする事態もありそうにない。IPOで手に入るのは、フェイスブック株のほんの一部にすぎない。ザッカーバーグCEOは議決権の過半数を握り続ける。これはザッカーバーグ氏や他のインサイダーが保有する特別な株式には、1株当たり10個の議決権がついていることや、同氏に議決権を譲ったすべての株主のおかげだ。

時価総額で1000億ドルに達しようかというフェイスブックのIPOは、近年で最大級の規模になるかもしれない。それでも何かが大きく変わることは意味しない。ザッカーバーグ氏が経営をほぼ一手に取り仕切る状況は続き、フェイスブックはIPOで「最も大衆的(パブリック)なプライベート企業」から「プライベート色の強い公開企業(パブリック・カンパニー)の1つ」に移行するだけなのかもしれない。

<背景となるニュース>

*フェイスブックは1日、新規株式公開(IPO)を申請する暫定的な書類を米証券取引委員会(SEC)に提出した。50億ドルの株式売却を目指している。

*フェイスブックの昨年の売上高は37億ドルで前年比88%増、純利益は10億ドルで65%増だった。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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