February 24, 2012 / 6:18 AM / 8 years ago

焦点:中国、不動産引き締め策めぐり中央と地方政府が衝突

[チューリヒ 23日 ロイター] 中国政府が進めている不動産市場の過熱抑制策が、中央と地方政府の衝突をもたらそうとしている。

2月23日、中国政府が進めている不動産市場の過熱抑制策が、中央と地方政府の衝突をもたらそうとしている。写真は上海で今月13日撮影(2012年 ロイター/Aly Song)

政府の引き締め策で不動産価格が下落したため、地方政府は土地の売却が難しくなり、金融危機後の景気刺激策で抱えた債務の返済や、新規住宅建設に充てる資金を調達しにくい情勢だ。

中央政府としては、手ごろな住宅の建設にことし必要な2兆元(3200億ドル)の大半を、地方政府に担わせたい意向。不動産投機取り締まり策を受けてデベロッパーが開発計画を縮小し、民間不動産投資は減速しているが、これを地方政府の投資に相殺させる計算だ。

北京のコンサルタント会社GKドラゴノミクスのエコノミスト、ロシーリー・ヤオ氏は「中国では不動産価格の下落により、市場のテコ入れを望む資金不足の地方政府と、住宅価格の抑制で何としても社会の安定を確保したい中央政府の間で、緊張が高まっている」と説明する。

中国では不動産投資が国内総生産(GDP)の約13%を占めており、不動産市場の正常化は国として極めて重要だ。折しも最大輸出相手の欧米は、欧州が債務危機、米国が個人消費の不振に見舞われ、中国の巨大製造業部門は外需の減少と格闘している。

地方政府は資金不足を埋める方法を見出さねばならない。国内不動産コンサルタント3社の推計では、昨年は土地売却収入が前年比13%減の1兆8600億元となり、一段の減少が見込まれている。

困窮した地方政府高官らは不動産引き締め策の裏をかこうとし、中央政府側は厳しい対抗策を講じざるを得ない。

<撤回された規則変更>

中国東部の都市、蕪湖は昨年の土地売却収入が前年の半額未満に落ち込んだため、今月7日に住宅購入規制の緩和を試みた。中央政府と国内メディアの圧力で蕪湖が緩和策を取り下げたのは、その4日後だった。

地方政府が政府の引き締め策の文言に少しばかり違反しても、その精神さえ冒さない場合、中央政府が目をつむる用意さえあれば、ぎこちない妥協は成立するだろう。

引き締め策を維持しつつ緩和する方法としては、地方政府が個人による複数の住宅購入を厳しく罰する一方で、市場復活に向けて取引税を引き下げるといった措置が挙げられる。

この問題をめぐる決戦の時は、3月初めに始まる全国人民代表大会(全人代)で訪れるかもしれない。来年初めの胡錦濤国家主席と温家宝首相の退任と、習近平国家副主席と李克強副首相による後継就任に備えた移行期であるため、ことしは特に注目度が高い。

地方政府レベルでは、不動産市場は重点課題だ。ほぼすべての地方政府が土地売却収入を必要としており、一部都市の極端なケースでは、土地売却収入が歳入総額を上回る。通常でも土地売却収入は市の予算の30─50%に相当し、財政を補う上で不可欠となっている。

<引き締め策をゆるぎなく実行>

温首相は、住宅価格を押し下げるために引き締め策を「ゆるぎなく」実行していくと強調してきた。

同時に外部要因も投資の流入を阻んでいる。一部アナリストの見方では、欧州債務危機により輸出が予想以上に落ち込むようなら、温首相には政策対応余地が十分にある。

住宅価格と消費者物価上昇率がさらに低下すれば、中国人民銀行(中央銀行)は景気減速に対抗するため、先週引き下げた預金準備率をさらに引き下げる余地が生まれる。1─3月期には中国のGDP伸び率が8%を下回りそうで、ことし通年では10年間で最低の成長率となる可能性もある。

ただ、温首相は不動産引き締め策を貫きそうだ。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(香港)のエコノミスト、ティン・ルー氏は「中央政府がことし、主要な不動産引き締め策を緩和することはないだろう」と述べた。

<限界を試す>

つまり蕪湖のような地方政府は、温首相の政策の限界を試し続けるだろう。

中国の不動産コンサルタント会社CRICは先週リポートで、蕪湖の出来事によって引き締め策緩和への市場期待が消え去ることはないと予想している。

中央政府は既に政策を修正し始めている。最近では、初回住宅購入者を特に住宅ローンで支えるという長年の公約を強調した。中央政府また、北京、上海、天津、武漢、アモイの各都市に対し、市民が購入に際して減税措置を受けられる住宅の定義拡大を許可した。

大連、寧波、南京の各都市は、商業銀行に比べて大幅に金利の低い住宅共済基金から市民が借りられる住宅ローンの額を、中央政府の許可を得て拡大した。

仮に中央政府が規則変更を歓迎しないなら、地方政府は土地の価格を急激に引き下げることで取引を復活させるしかなく、デベロッパーも記録的な規模の在庫を処分するために、住宅価格の大幅引き下げを迫られるだろう。

そうすれば不動産業界は息を吹き返し、景気の急変動にある程度対処できるようになるだろう。

ノムラ(香港)のチーフ中国エコノミスト、Zhang Zhiwei氏は「土地売却収入の減少は成長を阻むだろうが、中国経済のハードランディングを招きはしない」と述べた。

(Langi Chiang、Nick Edwards記者)

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