May 24, 2012 / 6:08 AM / 7 years ago

焦点:世界各地の小麦産地で雨不足、相場は一時9カ月ぶり高値

[23日 ロイター] 世界の小麦の主要産地が雨不足に見舞われて小麦価格が急騰し、シカゴ穀物市場では21日に1ブッシェル当たり7ドル強と約9カ月ぶりの高値を付けた。市場関係者は今後の生産や価格を左右するとみて、米カンザス州、ロシア、オーストラリアなどの天候に注目している。

5月23日、世界の小麦の主要産地が雨不足に見舞われて小麦価格が急騰し、シカゴ穀物市場では21日に1ブッシェル当たり7ドル強と約9カ月ぶりの高値を付けた。写真は14日、ネパールのカトマンズで撮影(2012年 ロイター/Navesh Chitrakar)

値下がりを見込んでポジションを大幅な売り持ちにしていた投機筋の買い戻しが入って、シカゴ市場の小麦は先週、17%を超える急騰を演じ、1996年以来となる大幅な上昇を記録した。週明け21日も続伸したが、翌22日にはロシアやオーストラリアで降雨の予報が出たことや、伸びていた飼料用需要が値上がりによって頭打ちになったことなどを手掛かりに、7営業日ぶりに反落した。

ただ、価格上昇につながる新たな懸念材料もある。オーストラリアの気象当局は、エルニーニョ現象が今年下半期に再発し、同国が雨不足に陥る可能性があると警告した。オーストラリアは世界の小麦取引の6分の1近くを占める。

同国は今年になってラニーニャ現象のおかげで降雨に恵まれていたが、東部海岸域ではここ数週間ほとんど雨が降っていないため作付けが遅れており、高品質小麦の収穫見通しに影が差している。西部の穀物地帯の降水量も平年を下回っている。コモンウェルス銀行のコモディティストラテジストのルーク・マシューズ氏は「東部の作付は非常に好調なスタートを切ったが、この数週間ペースが落ちた」と話した。

先物取引会社R・J・オブライエンのリッチ・フェルテス調査担当副社長は、今年の小麦の生産状況がどれほど悪化するかは旧ソ連の天候次第だとみている。「まだパンの価格に影響するところまでにはなっていないと思う。しかし旧ソ連で状態が悪くなれば、大きな問題になる」と話した。

<各地で雨不足>

ロシアは2010年に過去最悪の干ばつに見舞われ、収穫量が大幅に落ち込んで輸出を停止した経緯があるだけに、天候が最も懸念されている。

米農務省はロシアの今穀物年度(2011年7月─12年6月)の小麦輸出を世界全体の取引量の約14%に相当する2050万トンと推計している。しかしアナリストは、雨不足やなお低水準の国内在庫などの影響により、輸出量はそれより3分の1落ち込む可能性があるとしている。

フランスのコンサルタント会社アグリテルのキエフ事務所は18日、ロシアの今年の小麦収穫量を5000万─5300万トンとする見通しを公表した。これは昨年の5620万トンや米農務省予想の5600万トンを下回る数字だ。アグリテルは「主要産地は冬季に被害を受けており、今度は水不足に直面している」と指摘した。

ウクライナの冬小麦も、今年1月と2月の寒波により収穫量が減少する見通し。またカザフスタンの収穫量も昨年の2300万トンから1800万トン程度に落ち込み、黒海沿岸域全体の収穫量は昨年の1億0100万トンから8400万トン程度へと17%減少する見込みだ。

さらに米国最大の小麦産地であるカンザス州では、降雨不足のために小麦の作柄状況が先週1週間で4年半ぶりの大幅な低下を記録した。中西部の農家の中には、作柄の良くない小麦を干し草用に刈り取る動きも出ている。

(Carey Gillam記者)

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