June 28, 2012 / 5:07 AM / 7 years ago

焦点:中国・深セン市、前海地区に「ミニ香港」の建設プロジェクトを推進

[深セン/香港 27日 ロイター] 中国の深セン市は経済改革の先頭を走ってきたが、長い間、何かと言えば隣の香港の陰に隠れる存在でもあった。その深セン市が、総額450億ドルの「ミニ香港」建設プロジェクトを推進して世の注目を取り戻し、中国が金融大国を目指す上で力を添えようとしている。

このプロジェクトは、深セン市西部の前海地区に新たな金融や物流サービス、情報技術(IT)産業などの拠点を立ち上げて、低い税率やしっかりした法制度、汚職の厳しい監視といった香港が備えている環境を提供する。香港側にとっても、事業機会拡大の可能性が出てくる。

中国の胡錦涛国家主席は今週予定される香港訪問で前海地区へ適用する優遇税制などのインセンティブを発表する見通しだ。

ただ、深セン市の大胆な試みは、中央政府の急進的な改革への警戒心によって妨げられてしまう面もある。例えば、この計画を監督している前海当局の責任者、Cao Hailei氏によると、香港の方式をモデルとする独立的な汚職取り締まり機構を設置する構想は断念された。

<香港にもメリット>

中国は過去20年で経済規模が膨れ上がったが、外国人投資家は、厄介で不安定なその事業環境が、よりオープンで法制度が整備された形へと成熟化する必要があると指摘する。これらの要素はずっと前から香港の制度上や商業上の枠組みの一部になっている。

こうした中で、2020年の完成を目指す前海地区のプロジェクトを通じて中国は香港のノウハウを活用できるだろう。

中国国家発展改革委員会の当局者は今月、前海は香港との協力によって「革新的な金融改革プログラム」を築き上げることになるとの認識を表明した。

また前海当局のCao氏は、商業的な紛争を解決するための調停裁判所を新設して判事に香港の居住者を加え、予測不能な中国の法律に対して香港や海外の投資家が共通して抱く懸念に対応したいとの考えを明らかにした。

Cao氏は「各種の政策は月末までに承認されるだろう」としている。

一方で香港当局は、前海プロジェクトを歓迎する姿勢を明確にしており、金融市場や法体系に関するノウハウを提供しようとしている。

香港理工大学のトーマス・チャン中国ビジネス研究所長は「香港は土地供給の制約に苦しんでいる。前海の支援で(香港は)金融事業を境界の外に発展させることができる。実際、これは中国の政策立案者の考えだ。前海プロジェクトの対象地域は15平方キロメートルで、香港のセントラル地区の12倍に達する」と語った。

Cao氏によると、前海当局は建設費用を銀行借り入れや債券発行、土地使用権から得られる収入などでほぼ自力で調達する方針で、総額は2850億元(448億ドル)に上る。

中国政府首脳がこのプロジェクトを承認していることで、同国の金融環境が引き締まっている中でも資金調達面のリスクは低下するはずだとみられている。

(Alison Leung、James Pomfret記者)

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below