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米経済指標、発表前にアルゴリズム取引トレーダーに漏えいの可能性
2012年7月11日 / 06:29 / 5年前

米経済指標、発表前にアルゴリズム取引トレーダーに漏えいの可能性

[ワシントン 10日 ロイター] 米政府のウェブサイトに10日掲載されたリポートで、米労働省が経済指標の発表に関するセキュリティーを強化したのは、データ漏えいの可能性に関する連邦捜査局(FBI)や米証券取引委員会(SEC)からの警告を受けた措置だったことが明らかになった。

リポートは、核兵器の開発や管理を含む国家機密などに関する研究を行っているサンディア国立研究所が作成して労働省に提出した。これを受け、一部の金融機関が指標の発表前に労働省のプレスルームにアクセスしてデータを見た上で、金融取引を通じ利益を得ているとの懸念が強まった。

労働省が発表する経済指標の中では、毎月の雇用統計が特に注目されており、株式や債券市場を大きく動かす材料となる。

とりわけ「アルゴリズム取引」と呼ばれるコンピューターを用いた取引に携わるトレーダーが一瞬でも早くそのデータを入手すれば、大きな利益を得ることが可能だ。

米国の多くの省庁は経済指標を発表する際、解禁時間前のデータ発表を禁じる厳しいルールを策定。プレスルームに集まるメディアの記者に対し、発表時間までコンピューターや電話回線の遮断を義務付ける「ロックアップ」と呼ばれる手続きを採用している。

しかし、サンディア国立研究所のリポートによると、当局者らは、一部のメディアとアルゴリズム取引を行うトレーダーとの関係が近過ぎることを懸念している。

リポートはまた、「アルゴリズム取引を行う金融機関は、重要な経済指標を解禁時間前に手に入れるインセンティブが非常に大きい」と指摘した。

このリポートが作成されたのは2011年8月で、労働省は2012年4月に「ロックアップ」に関するセキュリティーを強化策を発表。

7月以降、ロイターを含むメディアは、プレスルームに入る前にポケットを空にし、持ち物をロッカーにしまうよう命じられている。9月には、コンピューターの利用方法など他のルールも施行される。

現在、「ロックアップ」時間には、当局者がプレスルーム内にあるすべてのコンピューターを制御するマスタースイッチを管理している。

たとえば、雇用統計が発表される30分前の1200GMT(日本時間午後9時)にスイッチが切られ、発表時間ちょうどになってスイッチが入れられる。

しかし、リポートは「敵は、多額の利益を追求し、優れた技術を持つ個人である可能性が高く、自由に使えるリソースもかなりあるのかもしれない。アルゴリズム取引は高度にテクニカルな性格を持つため、彼らはサイバー関連の優れた知識を備えている」と述べている。

リポートは、実際に経済指標が事前にリークされたことを裏づける証拠は示していないものの、「この問題の根本的な原因は明らかに、プレスルームのロックアップのプロセスにアルゴリズム取引を行うトレーダーが存在していることにある」と指摘している。

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