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焦点:中南米で通貨高阻止に相次ぎ対策、「通貨安競争」激化か
2013年1月30日 / 06:17 / 5年後

焦点:中南米で通貨高阻止に相次ぎ対策、「通貨安競争」激化か

[メキシコ市 29日 ロイター] 中南米通貨にホットマネー流入による上昇圧力がかかる中、中南米の政策当局は通貨高阻止に向けた対策を相次いで発表。「通貨安競争」が激化する可能性が高まっている。

1月29日、中南米通貨にホットマネー流入による上昇圧力がかかる中、中南米の政策当局は通貨高阻止に向けた対策を相次いで発表。「通貨安競争」が激化する可能性が高まっている。写真はブラジル造幣局で昨年8月撮影(2013年 ロイター)

エコノミストや投資家は、ユーロ圏債務危機の後退や、日本の新たな景気刺激策、リスク許容度の段階的な回復を背景に、2013年には中南米など新興市場への投資マネー流入が加速すると予想している。

中南米の一部諸国はすでに対策を講じている。コロンビアは28日に利下げしたほか、ドル買いを拡大すると発表。ペルーは、最大15億ドルの対外債務を今年、期限前に返済する方針を示したほか、自国通貨の上昇抑制に向けて積極的な介入を行っている。小国のコスタリカも今月、外国人による投資にかける税率を大幅に引き上げると発表した。

外為市場にはあまり干渉しないメキシコですら、利下げを検討しているとされる。一部のエコノミストは、経済成長を懸念しているというよりも、むしろペソの下落を狙ったものではないかとみている。

スタンダード・チャータードのシニアストラテジスト、ブレット・ローゼン氏は「中南米の大半の地域は今や再び、先進国の通貨安競争やQE(量的緩和)の影響に対処している」との見方を示している。

先進国で金利が低下すると、高利回りを求める投資マネーが新興国に流入し、現地の通貨に上昇圧力がかかりやすくなる。通貨が上昇すれば輸出競争力が低下し、経済成長にブレーキがかかる可能性がある。

これはブラジルの製造業を長年悩ませてきた問題だ。ブラジル政府はこれまで、利下げや外為市場への介入、資本規制、一部産業への減税などの対策を打ち出してきた。しかし今年は、インフレ高進が懸念されるなか、他の中南米諸国と比べ政策余地は小さいとみられている。

中南米の財務相は先月、先進国の刺激策の影響に対して不満を表明。来月ロシアで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、金融政策の為替への影響について話し合う見通しだ。

<投資家は低利回りの国債にうんざり>

フランクリン・テンプルトンで新興市場の資産を担当するマーク・モビウス氏は、投資家は利回りの低い政府債に飽き飽きしている、と指摘。今年は新興市場に大量の資金が流入するとの見方を示している。

世界の株式市場は今年、すでに4%上昇。ファンド調査会社EPFRは、債券よりも明らかに新興市場の株式の方が好まれているとしている。株式投資家の不安心理の度合いを示すボラティリティー・インデックス(VIX指数).VIXは今月、2007年以来の水準に低下している。

国際金融協会(IIF)は、今年の中南米への資金流入は前年から5.6%増加し、過去最大の3210億ドルに達すると予想している。

株式や債券への投資のほか、海外からの直接投資を含めた2012年の中南米への資金流入は、2008年の世界的な金融危機直前に「ホットマネー」があふれた時期を30%程度上回ったと推定されている。

(Krista Hughes記者;翻訳 吉川彩;編集 山川薫)

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