April 22, 2013 / 5:42 AM / 6 years ago

焦点:アップル凋落に当惑のサプライヤーと投資家、iPhone需要に注目

[東京/台北 21日 ロイター] 米アップル(AAPL.O)は、サプライチェーンや投資家に対するかつての支配力を失いつつあるようだ。

4月21日、米アップルは、サプライチェーンや投資家に対するかつての支配力を失いつつあるようだ。写真は3月、北京で撮影(2013年 ロイター//Kim Kyung-Hoon)

韓国のサムスン電子(005930.KS)や急成長するライバル企業がスマートフォン(多機能携帯電話)のシェアを伸ばすなか、アップルのサプライヤーと投資家は、同社の新型「iPhone(アイフォーン)」の需要を把握しようと必死だ。

アップルの決算発表を前に、iPhone出荷台数減少を示唆するニュースを受け、アップルや関連部品メーカーの株価は急落。また、伝説的な創業者スティーブ・ジョブズ氏が1年半前に死去した後、アップルの革新が止まっているとの批判も、アップル株のセンチメントを悪化させている。19日までの週でアップルの株価は、2011年12月以来初めて終値で400ドルを割り込んだ。

アジアの複数のサプライヤーは最近ロイターに対し、納期が絶えず変更される状況や、アップルへの依存度を減らすように努めていることを明らかにした。

日本のあるアップルサプライヤーによると、アップルが高水準と低価格を厳しく要求することから、業界では同社を冗談交じりに「毒リンゴ」と呼んでいるという。

調査・コンサルティング会社エンドポイント・テクノロジーズ・アソシエーツのプレジデント、ロジャー・ケイ氏は「『アップルが何をしても正しい』論理が通じるのは、アップルが正しいことをしているうち」と指摘。「ゴムバンドの伸縮と同じで、伸ばせば伸ばすほど、反発力は強くなる」と述べた。

アップルは23日に第2・四半期(1─3月)決算を発表する。同社は今回の報道に関するコメントを拒否。同社は一貫して、最高の製品づくりに専念し、iPhoneが業界の最高水準を維持すると主張。製品戦略に関する議論は避けている。

同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)は前回の四半期決算時の電話会議で、「少ないデータポイント」から生産プロセスの全体像を描くことは難しい、と強調した。

日本と台湾のアップルサプライヤーによると、新型「iPhone5S」の大量生産は当初、6月の開始を想定していたが、ずれ込み始めた可能性があるという。「iPhone5S」には指紋認証など新たな機能が搭載される見通し。

台湾のあるサプライヤーは、アップルは指紋認証を妨げないコーティング材を探しており、これが生産の遅れを引き起こしている可能性があると述べた。

サプライヤーによると、アップルは、中国やインドなど急成長市場のより所得の低い消費者向けに「iPhone5S」より低価格のモデルも開発中。

日本のあるサプライヤーはロイターに対し、ディスプレーパネルの小規模生産が5月に始まる予定で、6月に大量生産に移る予定だと語った。

関係筋によると、両モデルともに同じ4インチのスクリーンが使われる予定だが、おそらく低価格モデルには新たな指紋認証技術は搭載されず、より安価なプラスチックの外枠が使われる見通し。

<飛び交う憶測>

これまで、新型iPhoneが発売されるたびに様々なうわさが飛び交ってきた。ただ今年は、iPhone需要の先細りが話題の中心だ。携帯電話販売台数で世界首位に立ったサムスン電子をはじめとするグーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載する機種など、iPhone以外の製品を選ぶ消費者が増えていることが背景にある。

アップルの株価は2012年9月までの4年で7倍上昇。それ以来株価が44%下落し、時価総額が2800億ドル減少する状況をアップルファンは驚愕の思いで見つめている。

株価下落はスマホ市場でのシェア縮小と連動している。2012年、サムスンは世界シェアを30.3%に伸ばし、19.1%だったアップルを抜いて首位に立った。より安価なモデルを大量に供給したことが一因だった。調査会社IDCによると、2012年第4・四半期のアップルの世界シェアは21.8%と、前年同期の23%から低下した。

アップルの業界や市場に対する優位がここ1年で崩れていることは、アップルと提携する通信事業者(キャリア)やサプライヤーを後押しする可能性がある、とアナリストは指摘する。それは、部品コストやiPhone販売するキャリアが支払う補助金をめぐる交渉がアップルにとって厳しくなることを意味する可能性がある。

アップルは2012年に売上高と利益で過去最高を更新。iPad(アイパッド)はタブレット市場をけん引し、パソコン販売も業界をアウトパフォームし続けている。アナリストは、アップルほどの規模の企業にとって成長減速は避けられないと指摘する。

それでも、最近のアップル株下落は23日の決算で手掛かりを得ようとしていた多くの投資家を当惑させた。アップルに部品を供給する米半導体メーカーのシーラス・ロジック(CRUS.O)は、ある特定の納入先の予想が引き下げられたと発表。納入先の社名は明らかにしなかったが、前年10─12月期はアップルへの納入が全体の90%を超えていたため、シーラスが示した見通しはアップル製品の需要見通しに直結するとの見方から、アップルの株価は17日と18日で8%下落。これに伴い、世界中のアップルサプライヤーの株価も下落した。

一方、現在のアップル株の下落は、市場の不合理な動きではなく、確実な投資先としてもてはやされた昨年の高値からの調整との見方もある。あるヘッジファンドのマネジャーは、投資家はアップルの過去3四半期の売上高が予想を下回ったことに注目すべきだったと指摘。「市場はアップルの株価を押し上げていた昨年、アップルに対し不合理な動きをしていた」と述べた。

(Reiji Murai/Clare Jim記者;翻訳 高橋恵梨子;編集 佐々木美和)

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