March 21, 2013 / 5:52 AM / 5 years ago

アングル:米国の中小銀行が長期債投資を拡大、金利上昇時にリスクも

[ボストン 20日 ロイター] 米国では一部の中小銀行が、低金利環境で運用益を稼ぐため、中・長期債への投資を増やしている。アナリストの間では、金利上昇時のリスクを指摘する声が出ている。

コミュニティーバンクや中堅地銀などの中小銀行は、総じて手数料収入が少なく、投資銀行収入もない。

ネット銀行の躍進といった営業環境の変化もあり、将来利上げが始まれば、調達金利の上昇で業績が圧迫されるのではないかとの指摘も出ている。

連邦準備理事会(FRB)のスタイン理事は、低金利環境で銀行が水面下でリスクテイクを増やしている可能性があると指摘。

「現在の資本規制には金利リスクへの明示的な対応は盛り込まれていない。金利へのエクスポージャー増加自体が、銀行部門の大きなリスク発生源となる可能性があり、注視が必要だ」と述べた。

中・長期債への投資を増やしている地銀持ち株会社コマース・バンクシェアズ(CBSH.O)(カンザスシティ)では、2008年以降、投資ポートフォリオが156%増加、90億ドルを超えた。主に長期債を買い増した。投資証券が総資産に占める割合は44%で、2008年の22%を大幅に上回っている。

ロイターが中堅地銀80行(総資産50億─400億ドル)の2010年─2012年の財務諸表を分析したところ、総資産の伸びが16%だったのに対し、投資証券の伸びは20%に達した。

一方、運用益は、投資家の長期債投資拡大を背景に伸び悩んでいる。

コマース・バンクシェアズでは、昨年1年間で投資ポートフォリオが約10億ドル(12%)増えたにもかかわらず、投資による金利収入が610万ドル減少。昨年の平均リターンは38ベーシスポイント(bp)低下の2.55%だった。

<営業環境の変化>

通常、金利が上昇する景気拡大局面では、企業や個人の資金調達需要が増え、中小銀行の業績も改善する傾向がある。

    ただ、アナリストは、銀行の営業環境が変化しており、景気回復が中小銀行の業績改善につながるとは限らないと指摘している。

    キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのリサーチディレクター、フレッド・キャノン氏は、今後の金利上昇局面では、インターネット銀行との競争で、中小銀行が過去よりも速いペースで預金金利の引き上げを迫られるのではないかと指摘。

    サンドラー・オニールの銀行アナリスト、ブラッド・ミルサップス氏は、高金利時代に実施した固定金利型融資が返済期限を迎えるにつれ、融資残高に占める低金利融資の比率が増えると分析している。

    昨年第4・四半期は、全銀行の68%で純利ざやが前年同期の水準を下回った。

    コマース・バンクのチャールズ・キム最高財務責任者(CFO)は「2007年─08年は金利に少し助けられたが、それを除けば、金利は我々に不利な状況が続いている。量で安定を確保している状況だ」と述べた。

    (Tim McLaughlin記者;翻訳 深滝壱哉;編集 宮崎亜巳)

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