[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場終盤に比べ、若干ドル安/円高の112円前半。前日発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、インフレ率の上昇の見通し、および、インフレ率が上昇しない場合の金利の道筋を巡り、踏み込んだ議論が行われたことが明らかになったが、全般にややハト派的と受け止められ、アジア時間には、米長期金利が軟化気味となり、ドル/円もジリ安の展開となった。
ドルは朝方に112.53円の高値をつけた後、米10年債利回りUS10YT=RRの小幅低下や日経平均の上げ幅縮小に連れ安となり、終盤には112.25円まで下落した。
ユーロは1.18ドル後半で堅調だったが、ドル/円で円安のモメンタムが弱いため、ユーロ/円をはじめ他のクロス円でも、円安が進みにくい状況だという。
「実需筋では、111円台も113円台も目が慣れた水準になり、オーダーを急ぐこともない。機関投資家は国内株が好調なので、為替リスクを取って、あえて外モノ投資を活発化させるインセンティブも低そうだ」とFXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は言う。
FOMCの議事要旨については、「米国が利上げ軌道に乗っているとはいえ、利上げのペースに確信が持てず、先が見えない状況だ。ただ、株が好調なのでリスクオフにはなれない」(同)という。
きょうはシティグループ、JPモルガン・チェースなどの決算発表が予定され、高値圏にある米国株式の調整売りに対する警戒感もある。「日本の衆院選、米国の企業決算、次期FRB議長人事など不透明要因が晴れるまで動きづらい。我慢の時間帯」(国内金融機関)との声が出ていた。
市場の関心は、次期米連邦準備理事会(FRB)議長の人選に向かっている。米政治専門サイト「ポリティコ」は、ムニューシン米財務長官がトランプ大統領に、次期FRB議長としてパウエル理事を推薦した、と伝えた。パウエル氏は中立の中でもややハト派寄りとみられ、初期反応は米金利低下・ドル売りになるとみられている。
日本のメディア各社が行った衆院選序盤の情勢調査では、自民党が単独過半数を上回りそうで、与党が優勢と報じられている。
ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY=
午後3時現在 112.26/28 1.1876/80 133.34/38
午前9時現在 112.43/45 1.1862/66 133.39/43
NY午後5時 112.37/39 1.1865/68 133.38/42
為替マーケットチーム
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